国内最大手のカーシェアリングサービスであるタイムズカーシェアと、業界第3位ながらも急激に勢いを増しているカレコの比較をしました。
タイムズカーシェアは、全国各地で利用できる唯一のカーシェアリングで、ユーザー数も100万人近くを抱えている最強とも言えるサービスです。
しかしカレコも、オリックスカーシェアに次いで第3位ですが、車両数・ステーション数では第2位となっています。他社とのサービス面の差別化を図りながら着々とユーザー数を増やし、利用できるステーション数も急速に増やしています。両者の比較をしてみると、必ずしもシェアが大きい方がサービス面においても優れているわけでもないのだなと感じさせられました。
タイムズカーシェア×カレコ比較
タイムズカーシェア | カレコ | |
運営会社 | タイムズ24株式会社 | 三井不動産リアルティ |
利用可能都道府県 | 47(全国) | 13都府県 (東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、沖縄県) |
ステーション数 | 10,459ヶ所 | 2,694ヵ所 |
車両数 | 20,985台 | 4,886台 |
会員数 | 965,924人 | 73,592人 |
国内シェア | 第1位 | 第3位 |
支払い方法 | クレジットカード(Visa、Master、JCB、AMEX、Diners) | |
初期費用 | カード発行料:1,550円 (※キャンペーンで無料の場合がある) |
基本無料 (年間割引、法人契約は除く) |
月会費 | 個人・家族プラン:1,030円 (無料利用分1,030円込み) 学生・法人プラン:無料 |
ベーシック:980円 (無料利用料金980円込み) 学生・法人プラン:無料 |
利用料金 | 15分/206円~、6時間パック/4,020円 | ベーシック:10分/120円~ (30分以上の予約が必要) 6時間パック/4,020円 |
距離料金 | 6時間以内:0円(夜間パック除く) 6時間以上:16円/1km |
6時間以内:0円(夜間パック含む) 6時間以上:16円/1km |
ガソリン代 | 利用者負担なし | |
オプション保険 | 309円/1利用 | 324円/1利用 |
ペット | 同乗禁止 | |
タバコ | 全車両禁煙 | |
提携レンタカー | タイムズカーレンタル (プレミアム会員が付帯、最大25%OFF) |
ニッポンレンタカー (最大50%OFF) |
タイムズカーシェアにあってカレコにないもの
全国各地にあるステーションと車両
利用できるエリア、車両数の多さは、業界No.1のシェアを誇るタイムズカーシェア最大の魅力です。ステーション数・車両数・会員数は他社を遥かに上回っています。
事業者 | シェア | 会員数 | ステーション数 | 車両数 |
タイムズカーシェア | 1位 | 965,924人 | 10,459ヶ所 | 20,985台 |
オリックスカーシェア(dカーシェア) | 2位 | 193,182人 | 1,654ヶ所 | 2,703台 |
カレコ | 3位 | 73,592人 | 1,662ヶ所 | 2,794台 |
※2018年3月現在
生活圏にカーシェアのステーションがあることは利用する上でとても重要です。タイムズカーシェアは、全国各地の主要都市や主要駅だけではなく、住宅街やマンションの敷地内など幅広い場所でサービスを展開しています。色々な場所で利用できるという利便性、安心感が100万人近い会員数の獲得につながったようです。
さらに、多くのカーシェアリングサービスでは、ステーションが設けられている場所が利用者の多い都心部などに限定されていますが、タイムズカーシェアは、全国47都道府県のさまざまな場所に設置されているので、旅先で利用したいという場合にも便利です。
カレコは業界3位であるもののタイムズカーシェアと比較し、全てにおいて10倍近い数値の差を付けられ、「カーシェアリング」としてのインフラは足元にも及ぼない現状です。生活圏・旅先・仕事先と、広範囲でカレコを利用したいと考えている方は今一度情報を整理すべきでしょう。
タイムズのサービスがお得に使える
タイムズカーシェアに登録すると、タイムズクラブのプレミアム会員の資格が付帯し、タイムズレンタカーや、タイムズ駐車場などの利用でさまざまな特典が得られます。
たとえばレンタカーは最大25%オフで利用することができます。数日間にも及ぶ利用など、場合によってはカーシェアリングよりもレンタカーの方が適していることもあるため、利用シーンに応じて使い分けることができます。予約した日の前夜分(17:00以降)の利用も追加料金なしででき、毎月付与される月会費相当の無料利用分をレンタカー利用に充てることもできます。
また、タイムズのサービスを利用することで貯まる「タイムズクラブポイント」の付与率が3倍(100円につき3ポイント)にも増える特典も受けられます。タイムズカーシェア以外では、タイムズカーレンタルや、タイムズのコインパーキング、タイムズ スパ・レスタなどでポイントを貯めることができ、貯まったポイントは、タイムズカーシェアの利用チケットや、駐車場のサービス券と交換することができます。
カレコには、ニッポンレンタカーの24時間利用が特別料金で利用できる特典や、名鉄協商の「カリテコ」に特別料金で加入できる特典がありますが、やはりタイムズカーシェアと比べると、提携特典には少し物足りなさを感じてしまいます。
長時間パックが均一価格で利用できる
多くのカーシェアでは、車種のクラス毎に利用料金が異なり、パック料金も例に漏れず異なる価格設定をしています。カレコも、4種類の車種が設定されており、パック料金の設定も車種により異なります。
しかし、タイムズカーシェアは、上位車種(プレミアムクラス)の場合の15分のショート料金は2倍になるものの、6時間以上のパック料金設定の場合は、ベーシッククラスもプレミアムクラスも同額で利用できます。MINIやAudiの外国車や、マツダ CX-5やトヨタ ヴォクシーのような大きめの車種も追加料金なしの均一価格で利用できるため、普段ショート利用でベーシッククラスを使い、パック利用のときだけプレミアムクラスの車両を利用する方が多いようです。
15分単位で利用が可能、シンプルな料金設定
タイムズカーシェアは、最低15分からの利用が可能で、車種による料金設定もベーシックとプレミアムの2種類に限られています。
さらに、6時間以上のパック料金になると、車種に関係なく均一価格の料金設定になります。パック料金の設定が均一価格になるのはタイムズカーシェアだけで、料金設定も非常にシンプルになっている点が魅力的です。
一方カレコは、10分単位での利用は可能であるものの、最低30分の予約をしなければならず、車種毎による料金も4種類設定されています。
カレコにあってタイムズカーシェアにないもの
多様な車種と充実した装備
カレコといえば「高級車に乗れる」というイメージが強いですが、それだけではなく、住宅街などの一般的なステーションにある車両も、他社よりもしっかりしたクルマを置いている印象です。
自動ブレーキなどの安全装備や、自動運転などの便利な機能が装備されるクルマが増えてきましたが、カレコはそれらを積極的に導入し、比較的新しい車両が置かれています。予約時にも車両に安全装備が備わっているかが明記されているため、新機能を試したい方や、運転に自信がない人にも安心です。
タイムズカーシェアも、車両の切り替えは早い方ではありますが、ほとんどのステーションでは、コンパクトやセダンといった至って普通の車種が多く、装備もそれほど充実もしていないことから、ラインナップに関しては可もなく不可もなく、といった感じです。
カレコは取り扱う車種が幅広い上に、一般的なステーションでも、タイムズカーシェアではプレミアムに値するCX-5やハリアーのようなSUV、ヴォクシーやエスクァイアのようなミニバンなどが置かれており、車種に関してはタイムズカーシェアよりも強いこだわりを感じます。
スマホに最適化された先進的なサービス
多くのカーシェアリングでは、専用のICカードや、事前に登録しておいた自身の交通系ICカードなどをかざして、借りたクルマの解錠・施錠を行いますが、カレコの場合はすべての操作を携帯電話のサイト上やアプリ上で行うことができます。
カードタイプの場合、うっかりカードを忘れて予約したのに利用開始ができないというケースもありますが、普段持ち歩いている携帯電話上で行えると、そのようなリスクも減ります。もちろんカレコもバックアップとしてICカードの登録が行えますが、ICカードを持たずに免許証と携帯電話だけあれば利用できるのは、主要サービスの中ではカレコだけなので、その点は非常に先進的に感じます。
アプリ自体の完成度も高く、非常に利用しやい画面作りになっています。簡単に予約をすることができ、予約の確認、施錠・解錠などもすぐに行うことができます。また、借りたクルマについていたキズや車内の汚れの報告も、面倒な電話ではなく、アプリ上から写真付きで送信できる点なども、ユーザー重視のサービス設計だと感じました。
延長時も安心な料金システム
カレコでは、貸出開始後に延長を行っても、自動的に最安の料金設定に変更してくれるため、安心して延長することができます。
たとえば、12時間プランで予約をした後に、利用中3時間の延長を行い、12時間+3時間(10分料金x18回)よりも、24時間プランの方が安くなる場合は、自動で24時間プランに切り替わり、最安の組み合わせになります。
一方、タイムズカーシェアは、延長は15分単位のショート料金と同様になってしまうため、長時間の延長には向いていません。さらに、パック料金では均一料金であっても、延長料金は車種ごとのショート料金と同じになってしまうため、プレミアム車を延長してしまうと、15分の延長だけで412円も発生してしまいます。
夜間パックでも距離料金は6時間以内無料
カレコはどの料金プランであっても、6時間以内の利用であれば距離料金が発生しません。タイムズカーシェアを含むほとんどのサービスでは、夜間パックに関しては利用時間問わず距離料金が発生します。
夜に少しだけドライブを楽しみたい方には非常にオススメです。
無料プランが用意されている
タイムズカーシェアは、料金システムがシンプルな代わりに、月会費無料プランが用意されていません。学生会員、法人会員に限っては月会費は無料で、月会費が発生しても月会費と同額の無料利用分が付与されるため、月会費分以上を利用すれば月会費が実質無料にはなりますが、たまにしか利用しない方は、損することになります。
月会費無料プランは、ベーシックプランと比べると少し割高になってしまいますが、ベーシックプランに切り替えることも可能です。ただし、一度ベーシックプランに変えてしまうと、1年以上は無料プランに変更することができません。
利便性重視ならタイムズカーシェア!「クルマ」で選ぶならカレコ!
- シェア1位のタイムズカーシェアは全国各地で利用できる
- カレコは第3位だが急成長しておりサービスの差別化も図っている
- タイムズカーシェアは利用料金が割高だがシンプルな設定
- カレコは料金設定が少し複雑だが、タイムズカーシェアよりも安く利用できる
- サービス面はカレコが先進的で車両も充実
タイムズカーシェアは、ステーション数が多く、近所のステーションはタイムズしかないという方が多くいると思います。そこが一番の大きなメリットですが、もしカレコのステーションが近所にあるのであればぜひ利用するべきです。
サービス面においてはカレコの方がより意欲的にサービスの改善に取り組んでおり、スマートフォン上やウェブ上だけですべての手続が行える点や、新しい車両を幅広く用意し、安全装備などを積極的に導入している点など、タイムズカーシェアよりも優れた点がいくつもあります。
第3位のシェアではありますが、車両数とステーション数ではすでにオリックスカーシェアを抜き第2位となっています。それでも、タイムズカーシェアには到底及びませんが、サービスの品質面ではタイムズカーシェアよりもカレコの方が優れていると言っても過言ではないでしょう。
出先で利用したい場合や近所にステーションがそこしかないという方はもちろんタイムズカーシェア一択ですが、アプリなどが利用しやすく、車両も比較的新しいものが用意されているため、サービスを利用する上での快適さはカレコだと思います。
高級車も幅広く用意されているため、ちょこっと乗ってみたいという方にもオススメです。
おすすめカーシェア | 強み・特徴 |
タイムズカーシェア | ・「どこにでもある」という安心感 ・全国にステーションがあり国内シェア1位 ・利便性の高さは圧倒的にタイムズカーシェア |
カレコ |
・首都圏に集中し車種が豊富&豪華 ・若者向けでサービスが使いやすい |