近年、セルフサービスのガソリンスタンドの数が急激に増え、有人ガソリンスタンドの方が珍しくなりつつあります。
たまにしかクルマを運転しない人や、カーシェアリングでしかクルマを利用しない方だと、セルフサービスのガソリンスタンドの利用方法が分からないという方が意外と多いようです。本記事では、そのような方のために、カーシェアリングに備え付けの給油カードを使ってセルフサービスのガソリンスタンドで給油を行う方法を紹介します。
【ポイント】
- 給油カードは、サービスによって対応ガソリンスタンドが異なる
- 給油カードの収納場所はサービスによって異なる
- ほとんどの場合、給油口の位置はガソリン残量メーターの矢印で確認できる
- 給油口を開けるには運転席側床にあるレバーを引く(一部車種除く)
- 利用しているクルマのガソリン油種は必ず確認する
- 給油カードはそのまま入れるかクレジットカード・洗車カードを選択して挿入する
- 給油・洗車の特典を受けるには連絡を入れなければならないサービスもある
- レシートは車内に保管する(オリックスカーシェアは指定なし)
- 洗車カードは店舗によって利用方法が異なる
カーシェアリングの車両に必ず装備されている「給油カード」
給油カードは、利用者がガソリン代を立て替えることなく、カーシェアリングの運営会社がガソリン代を支払うことを可能にする給油専用のカードです。
一般的には法人の社用車でガソリン代を経費として落とすように利用されることがほとんどですが、カーシェアリングの場合は、運営会社がガソリン代を負担することになっているため、このような給油カードが使われています。
詳細は後述しますが、セルフサービスのガソリンスタンドでも利用が可能で、カードをそのまま挿入するか、「クレジットカード」や「給油カード」を選択することで利用できます。
カーシェアリングの給油カードが利用できるガソリンスタンド
給油・洗車カードを利用できるガソリンスタンドは、カーシェアリングサービスによって異なります。
基本的にエネオス、コスモ、エッソはどのカーシェアリングサービスでも利用可能ですが、大手ガソリンスタンドの出光興産はタイムズカーシェアのみ、昭和シェルはオリックスカーシェア(dカーシェア)、カレコのみとなっているので要注意です。キグナス、SOLATO(太陽石油)はタイムズカーシェアのみです。
また、地域によっては対応していない場合もあるようなので、「このカードは対応していません」と弾かれてしまった場合は、ガソリンスタンドのスタッフに相談してみてください。
洗車については上記のガソリンスタンドでも、店舗によって対応が異なります。
給油カードの収納場所
タイムズカーシェアは、運転席側上部のサンバイザーに給油カードが入っていることがほとんどです。
オリックスカーシェアは、グローブボックス内の鍵が入っていた場所の上部か、タイムズカーシェア同様に運転席側上部のサンバイザーに給油カードが入っています。
カレコは、車内にある緑色のマニュアルの最後のページに入っています。
セルフガソリンスタンドの給油手順
- 車両の給油口の確認
- エンジン停止
- 給油口を開ける
- セルフ端末の操作
- 給油カードを挿入
- 油種の選択
- 給油
- レシートを受け取り保管
車両の給油口の確認
普段クルマを利用している方でも意外と知らない人が多いのですが、ガソリンメーターに給油口がどちらにあるのか表示されています。
たとえば、このクルマの場合は矢印が「右」に向いているため、給油口は右側にあります。
カーシェアリングなど普段利用しないクルマの場合、ガソリンスタンドに入場する際に、どちらに給油口があるのか分からず戸惑ってしまうことがありますが、そのときはガソリンメーターを見ましょう。ただし、最近ではデジタルメーターで給油口の位置が表示されていない車種もあるようです。
カレコの場合、給油口がどちらにあるのかをシールでお知らせしています。
ガソリンスタンドに着いたら
ガソリンスタンドに着いたら、まずはエンジンを停止します。
次に、給油口を開けます。ほとんどの場合、運転席側の床にこのようなレバーがあるので、それを引くと、車両後部にある給油口のフタが開きます。車種によってはボンネットのレバーも同じ場所にあるので、このような給油マークがあるか確認してください。どうしても給油口のレバーが見つからない場合は、車内にあるマニュアルを確認するか、スタッフが近くにいたら聞いてみてください。
クルマから降りたら、給油カードを持ってタッチパネルのあるところに行きます。
セルフ端末の操作
今回は、埼玉県所沢市にある「エッソベストステーション21SS」で給油をしました。基本的にエッソのセルフサービスはこのような作りになっていますが、エネオスなどもこのような形に近いです。
エッソの場合、この画面の状態で給油カードを入れることも可能です。万が一入らなかった場合は、「クレジットカード」を選択してください。
厳密に言うと、給油カードはクレジットカードではありませんが、給油カードという項目がない場合はクレジットカードを選択すれば問題なく給油できるはずです。
「このカードは利用できません」などと弾かれてしまった場合は、対応しているガソリンスタンドかどうかガソリンスタンドのスタッフに確認してみてください。
給油カードが承認されると、希望の油種を選択する画面が表示されます。カーシェアリングの場合、ガソリン代は自己負担ではないため満タンを選択します。
基本的にほとんどのクルマはレギュラーガソリン車ですが、外国車や高級車はハイオクを指定されていることがあります。ディーゼル車は軽油を入れる必要があります。
ハイオクの場合、「ハイオク」又は「無縁プレミアム」と記載されていることが多いです。分からない場合はガソリンスタンドの方に聞いてみましょう。セルフガソリンスタンドでも店員が一人以上いるはずです。
またよく誤解されますが、ほぼすべての軽自動車はレギュラーガソリンなので、間違っても軽油は入れないでください。
自身の乗っているクルマがどの油種なのか分からない方は、給油口に記載されていることがほとんどなので確認してみてください。車内のマニュアルにも記載されているはずです。
油種を選択したら確認画面が表示されるので、間違っていないことを確認したら「確認OK」を選択します。
セルフでの給油
給油口を開ける前には必ず静電気除去パッドに触れてください。特に冬場は静電気が起こりやすいので大変危険です。給油口のフタを左に回して開け、給油口のフタが外れたら、静電気除去パッドの下にある入れ物に入れてください。
ただし、最近の車種は写真のようにくっついていることがほとんどなので、くっついている場合はそのままぶら下げて問題ありません。
油種によってノズルが異なります。今回はレギュラーガソリン車なので、レギュラーと書かれた赤いノズルを持って給油口に入れます。なお、ハイオクは黄色、ディーゼル(軽油)は緑と指定されています。
奥までしっかり入ったことを確認したら、レバーを握ります。力強く握るぐらいがちょうど良いぐらいです。
満タンになったら自動で給油が止まるので、止まるまでずっと握ったままで大丈夫です。ただしごく稀にセンサーが働かずにあふれ出てしまう場合もあるようなので、溢れ出したらすぐに給油を停めてボディに付着したガソリンを拭き取ってください。そのまま放置すると変色・腐食する恐れがあります。故障している可能性も考えられるので、近くにガソリンスタンドのスタッフがいたら必ず報告してください。
また、止まったあとにまた握るとストップされずに給油が再開されてしまうため、一度止まったあとは継ぎ足ししないことを強くオススメします。
給油が終わったらノズルを元の場所に戻し、給油口のフタを閉めます。
レシートは必ず受け取り保管する
ノズルを戻すとレシートが出てくるので、必ず受け取ってください。レシートが出てこないときは、ノズルが正しく収納されていない可能性があります。
タイムズカーシェアの場合、20L以上の給油をしなければ15分サービスの特典を受けられないと記載されていますが、そこまでシビアにカウントされていないようで、今回のように17.84Lでも特典を受けることができました。
おそらく、予約時のガソリン残量が「△」と表示されている際に給油を行うと、特典が受けられるようになっているのだと思います。
タイムズカーシェア、カレコの場合、給油したレシートは、捨てずに車内に保管する必要があります。
タイムズカーシェアは、運転席側の天井にあるレシート入れに入れてください。給油時の特典は自動的に付与されますが、洗車時の特典についてはタイムズカーシェアに電話をする必要があります。
カレコの場合は、レシートに自身の会員IDを記入し、車内マニュアル(給油カードが入っている緑色の冊子)のレシート入れにレシートを入れてください。連絡をする必要はありません。
オリックスカーシェアについてはレシートの保管について特に指定はされていませんが、給油した際の特典を受けるには、給油したことをネットもしくは電話で申請しなければいけません。
洗車はガソリンスタンドによって対応が異なる
給油・洗車カードというカードの名前がついているため、洗車も給油同様にカードを挿入するだけで良いと思いきや、ガソリンスタンドによって対応が異なります。
今回のガソリンスタンドでは、「洗車カード」の挿入口はありますが、このガソリンスタンドの場合は、独自のプリペイドカードのみに対応しているようで、カーシェアリングに付いている給油・洗車カードは対応していないとのことでした。
対応していない場合でも、ガソリンスタンドのカウンターにカードを持っていって事情を話せば洗車をしてくれる場合もあるようですが、洗車機に向かう前にガソリンスタンドのスタッフに確認してみてください。
給油カードを使ったセルフ給油・洗車はとても簡単
以上、セルフガソリンスタンドでの給油カードを使った給油方法を紹介しました。
セルフガソリンスタンドも慣れると簡単で、利用しているクルマの油種などに気をつければ、セルフガソリンスタンドでも問題なく給油することができるます。
カーシェアリングの場合、給油・洗車をすることでサービスチケットの付与などの特典を受けることができますが、レシートを車内に保管したり、カスタマーセンターに報告しなければならないので、そこは要注意です。
洗車については、店舗によって対応が異なるため、洗車機に並ぶ前に一度ガソリンスタンドのスタッフに対応を確認してください。