カーシェアリング「9」のデメリット~課題は多いが可能性も未知数!現状の問題点を解説

タイムズカープラスの貸出車両の前にスタンドを置く

カーシェアは、今後最もポピュラーな移動手段となると、多くの経済評論家や投資家が注目している先進的なサービスです。しかし2018年8月20日に公表されたMMD研究所による「シェアリングエコノミーサービスに関する調査」では、「カーシェアを利用したことがある」と答えた方が4%にとどまり、まだまだ認知度やそのメリットが知られていないことを実感しました。

本当はカーシェアのメリットは薄いのではないか?一過性の人気なのではないか?と疑っている方も多いかもしれません。また悪い口コミを聞いて、利用を控えていた方もいるでしょう。そこで本記事では、カーシェアの「実態」を深掘り調査。私自身もカーシェアを長らく利用しているため、ユーザー目線で感じるリアルなデメリットを9つの項目にまとめ、なぜその点に注目が集まるのか、カーシェアが普及しない理由なども分析していきます。

なお以下で解説する「カーシェアリング」とは、Anycaなどの個人間カーシェアを含まない、事業者系カーシェアを前提に解説します。

車が汚い、衛生面における懸念、ユーザーモラルの低さ

日産e-シェアモビの日産ノートに備え付けられているお掃除セット

カーシェアにおけるトラブルで最も多いのが、車内空間における衛生面の問題です。

ゴミの放置、タバコやペットのニオイなどは論外・規約違反ですが、他人と車を共有することに慣れていないと、細かいところも気になってしまいます。例えば、車のハンドルが多少ベタついていたり、ナビの液晶の指紋、座席などに落ちた食べカス、単純な人の気配・残り香など。これらを多少許容できないと、カーシェアを利用し続けるのは難しいでしょう。

博多市の某レンタカー店の清掃場

例えばレンタカーの場合、衛生面における心配は何もありませんでした。利用時は常に清潔、ガソリンも満タンで車体は洗車が施されています。しかしカーシェアの場合、ガソリンがほとんど無い、車に傷が付いている、車内・車体が汚いなど、こうしたことはタイミングによって十分起こり得ます。

シェアリングサービスのあり方や妥協点、同じ「共同利用」でもレンタカーとの衛生面や車の管理方法における違いは理解しておく必要があります。

「わ」ナンバー、専用シールがダサい

新宿サブナード駐車場内のsmart fortwo BRABUS sports

カーシェアは各社が事業用に用意している車両を登録している会員間で共同利用するため、「わ」ナンバーになります。どんなに高級な車も、輸入車も、全て「わ」ナンバー。

そもそもシェアリングに抵抗が無い若い世代はナンバーも気にならないと感じる方が増えてきていますが、やはり一定層はナンバーにこだわりがあり、「わ」ナンバーが恥ずかしいと思う人もいます。

タイムズカープラスプレミアムクラスで乗車できる「MINI CROSSOVER」のリア

同様に、カーシェアの各車両にはそれを見分けるシールも貼られています。このシールは確かに存在感もあり恥ずかしいというのは分かる気がします。特に「プレミアムクラス」「デラックス」など、各社呼び方は異なりますが、ハイクラス車両のものについてはシールをもう少し目立たなくするなど工夫をしてほしいです。

事実、高級車や車両のラインナップを売りにしているカレコでは、頻繁にシールが剥がされる事件も起きています。

月会費がかかる

レンタカーや自家用車との大きな違いは、「月会費」がかかることです。もちろん自家用車の維持費と比較すれば大したことはないのですが、全く使わない月があったりする場合は、当然損になってしまいます。

また、なぜ会費がかかるのかというと、カーシェアリングが「会員制サービス」だからです。

タイムズカープラスの仕組み

24時間いつでも利用できたり、利用後の傷の確認などをしなくてもいいのも、一定の信頼を担保とした会員間で共同利用するからです。レンタカーの場合は会員制サービスではないため、利用の度に窓口に行って、毎回免許証の確認、傷の確認を行いますよね。会費がかかることは確かにデメリットですが、仕組みを理解すると事務上のサービス提供をそれなりに受けているのです。

大手カーシェアリングサービス三社の初期費用、利用料金、無料利用分

また、毎月「無料利用分」として月会費分のサービスがあるため、実質月会費は0円です。

利用用途で使い分けないと割高になる、行動可能範囲が意外と狭い

カーシェアは短時間利用(一般的に6時間未満)を想定したサービスなので、レンタカーのように1日単位や日をまたぐような使い方をすると割高になります。

例えば、デートなどでカーシェアを使うと、6時間というのはなかなか微妙な設定です。6時間ずっと運転しているわけでもないため、運転していない時間やドライブを目的にしないデートだと「もったいない」と感じることも多いはず。6時間以内にもとのステーションに戻ってくる必要があるため、行動可能範囲は意外と狭いのです。

乗り捨てできない

タイムズカーレンタルのワンウェイ利用(乗り捨て)

出典:タイムズカーレンタル

国内のカーシェアの現状は、乗り捨て可能なワンウェイ方式は採用されておらず、借りた場所に返すラウンドトリップ方式が採用されています。

例えばカーシェアを利用してレストランに行った場合、現状のラウンドトリップ方式ではレストランで食事をしている間も利用料金がかかってしまいます。仮にワンウェイ方式が採用されれば、レストラン近くのステーションに仮止めし、利用を一旦ストップさせることができます。食事を終えたらまた利用手続きを行い、帰路につくことができます。

ワンウェイ方式が可能になれば、更に行動範囲と移動の選択肢が広がることになります。駐車場の問題や管理面の問題もあるためまだ難しいかもしれませんが、タイムズカーレンタルなど一部では利用可能になっているため不可能ではないでしょう。

支払いは全てクレジットカード、WEB決済

タイムズカープラスの対応クレジットカードブランド一覧画像

カーシェアは一部を除き、基本クレジットカード決済となります。そのためクレジットカードを持っていない方は登録できません。

ちなみに「一部」というのはdカーシェアを指します。dカーシェアはドコモユーザーのみドコモ払いに対応しており、クレジットカードを持っていなくても登録することができます。またデビットカードも一部利用可能です。

近所のステーションに利便性が左右される

タイムズ東村山駅西口ステーションの写真

こちらは私の家の近所「タイムズ東村山駅西口ステーション」です。設置車両はスズキ・ソリオ、この1台のみです。東村山は東京都のベットタウンとして栄え、車を利用するファミリー層が多いはずですが、タイムズのステーションは駅近くだとここだけです。週末はほぼ予約で埋まっていて、好きなときに使うことはできません。

タイムズカープラスアプリで近くの利用可能な車両を調べている様子

一般的にカーシェアは次のようなメリットがあると言われています。

  • すぐに使うことができる
  • 全国にステーションがある
  • たくさんの車種からTPOに合わせて使うことができる

しかし実態は、近隣ステーションに設置されている車の数や、車種幅によって大きく異なります。東村山のように駅周辺のステーションが1ヶ所、車種はスズキ・ソリオのみだったら、そもそも選びようがありません。例えば引越しなど、家探しと一緒にカーシェアを検討している場合は、周辺に複数のステーションがある環境を選ぶと良いでしょう。

地方ではほとんど普及していない

東北自動車道(下り)景色

カーシェアは、交通インフラが整備され電車・バス等の公共交通機関が発達しているところで普及しています。つまり都心です。しかし地方においては、交通インフラが未整備であるため「車を持たない生活」は考えにくく、カーシェアが普及するはずもありません。

ステーションがあっても県庁所在地を始め主要都市に点在しているだけ。東京・大阪のように、「自家用車の代わり」としてカーシェアに登録する方は少ないでしょう。地方でカーシェアが普及するときが来れば、それはその場所が地方ではなくなったときと言えます。

タイムズ安里1丁目ステーションのフィット

沖縄県タイムズ安里1丁目ステーション

しかし、唯一の例外が「沖縄県」です。沖縄を東京のように捉えている方は少ないと思いますが、実は東京並みの渋滞が毎日のように起こる異常な場所です。また那覇市街地を抜けると一気に田舎になり、各地に観光名所があるため生活にも観光にも車は不可欠。

レンタカーの車両数も東京に次ぐ二番目という恐ろしい数字です。土地の狭さと移動可能範囲を考えると、カーシェアが今後更に普及していくことも十分考えられます。現状タイムズカープラスを始め、主要カーシェア事業者が続々と参入してきています。

参考:運輸支局別レンタカー乗用車の車両数

東京:27,452(1位)
沖縄:28,629(2位)
大阪:24,922(3位)

全国レンタカー協会

利用方法が統一されていない

カレコのアプリから貸出手続きを行っている様子

タイムズカープラス、オリックスカーシェア、カレコ、dカーシェア、カリテコ、アースカー、エコロカ、e-シェアモビ、EveryGo、Anyca…

何も見ずにざっと挙げただけでもこれだけのカーシェアサービスが挙がるわけですが、実は各社の利用方法は全く統一されていません。

もちろん民間企業なので異なって当前ですが、例えば「解錠方法」ひとつ取っても、会員証をかざすサービスもあれば、スマートフォン、交通ICカード、免許証で解錠するサービスもあります。「予約方法」でも各社専用のアプリをそれぞれダウンロードしなければいけません。

なんとなく「ポイントカード」が乱立していた時代に似ています。楽天ポイントやTポイントなどに徐々に統一されていったように、カーシェアも統一されていく時代が来るかもしれませんが、今のところユーザーがそれに従うしかない現状です。月会費無料のカーシェアが増えているため、これからはカーシェアの複数登録もメジャーになっていくはずです。そうなるとこの問題点は次第にストレスになっていくことでしょう。

まとめ~カーシェアで生活が不便になることはない

カーシェアの「デメリット」と言えるポイントを挙げていったものの、「カーシェア」そのものにおける社会的・経済的・環境的なデメリットは見当たりませんでした。

デメリットと言える点はほぼ全て、ユーザー側が妥協すべき点やシェアリングエコノミー特有の問題点で、サービスそのものは高く評価することができます。

おすすめカーシェア 強み・特徴

タイムズカープラス
・「どこにでもある」という安心感
・全国にステーションがあり国内シェア1位
・利便性の高さは圧倒的にタイムズカープラス

オリックスカーシェア
・長く使うほど利用料金が安くなる
・休会制度がある唯一のカーシェア
・国内シェア第2位

カレコ
・首都圏に集中し車種が豊富&豪華
・若者向けでサービスが使いやすい
・国内シェア第3位