タイムズカーシェアとAnycaの一番の違いは「事業形態」です。
タイムズカーシェアを始めとする事業者系カーシェアサービスは、レンタカーやパーキング事業を行う企業が、既に持っている資源をもとに展開しています。対してAnycaは「個人間カーシェア」としてやり取りにおける仕組みを提供しているだけで、車や駐車場をAnycaが所有しているわけではありません。主な相違点は以下です。
比較 | タイムズカーシェア | Anyca |
事業形態 | BtoC | CtoC |
料金 | 15分206円~ | 1日料金(車種による) |
給油 | 不要 | 必要 |
月会費 | 1,030円 | 無料 |
所有者 | タイムズカーシェア | オーナー |
タイムズカーシェアとAnycaどちらに登録しようか悩んでいる方、引越しや車の売却でカーシェアを検討している方、是非本記事を参考にしてみてください。
Anycaには無いタイムズカーシェアのメリット
とにかく借りやすい、ステーションは全国に点在
タイムズカーシェアは主要都市や住居圏に対して網羅的にステーションを構えています。またアプリ上で予約、専用のICカードを車にかざすだけで利用を開始できるためスムーズ。利便性や生活への密着度、インフラ機能としてはタイムズカーシェアを高く評価することができます。ステーション数や車両数はオリックスカーシェアやカレコと比較してもNo.1です。
Anycaの場合、個人間におけるやり取りとなるため、気軽にいつでも借りることは難しいでしょう。例えば、早朝・深夜に予約を入れても相当お人好しなオーナーでなければ引き受けてくれません。ただタイムズカーシェアなら時間を選ばず利用できます。
また車を借りるたびに傷のチェック、鍵の受け渡し、免許証の提示など、トラブル防止のための手続きが意外と手間だったりします。返却時も立ち会いが必要になり、また同じ手続きを行います。「借りやすさ」「利便性」の面では圧倒的にタイムズカーシェアが優勢です。
事項 | タイムズカーシェア | Anyca |
予約 | アプリ | アプリ |
解錠 | 専用ICカード | オーナー立会 |
延長 | アプリ又はナビ上から手続き | アプリでオーナーへメッセージを送り許可を得た場合 |
返却 | 専用ICカード | オーナー立会 |
15分から利用できる、Anycaは1日利用が基本
タイムズカーシェアを始めとする事業者系カーシェアサービスは、10分や15分など短時間から利用できます。しかしAnycaでは「1日単位」の貸出が基本なので、ちょっとした買い物や、子供の送り迎えなどに使うこともできません。またそれでいてAnyca特有の「距離制限」という走行距離の制限(1日300kmが平均的)があるという矛盾も。
周辺施設・住居環境に見合った車種の設置
こちらはデザイナーズマンション敷地内にあるタイムズカーシェアのステーション。いわゆる「人気色」のオレンジのハスラーが配置されています。
そのほか、各地IKEAの駐車場内にはNV350キャラバン(NISSAN)が設置されていたり、大きめのステーションでは車種のラインナップを豊富にして選択肢を増やす遊び心があったり、実は住環境をリサーチしたステーションの配置になっています。
対してAnycaの場合、個人間カーシェアなので企業努力でステーションを増やすということができません。自分の住んでいる地域にオーナーがいることがまず条件になり、車種も利用者目線ではなく、オーナーの好みが反映されます。
給油の手間が無い
タイムズカーシェアを始め事業者系カーシェアサービスでは、利用料金にガソリン代が含まれているため給油を必要としません。むしろ、利用者が給油を行うと15分の延長サービスが受けられお得になる仕組みです(車内にガソリンカードが設置されている)。
しかしAnycaでは、レンタカーに近い料金形態となっているため返却時は給油が必要です。
法人登録できる
タイムズカーシェアを始め事業者系カーシェアサービスでは法人の登録もできます。しかしAnycaでは法人の登録ができません。
あくまでも、個人間のやりとりが原則となっているため、出張で利用する場合でも個人として借りなければなりません。
また法人がAnycaオーナーとして登録することも、自動車保険の関係上できません。
タイムズカーシェアには無いAnycaのメリット
様々な車種を楽しむことができる
Anycaの一番のメリットは、車種幅が無限に広がっていることです。日本全国のオーナーが所有している車全てが貸出対象で、輸入車・高級車・オープンカー・軽トラ・キャンピングカーなどもラインナップ。
タイムズカーシェアでは管理コスト、盗難、トラブルの観点からなかなか展開できないものも、Anycaでは乗ることができます。実際にシェアQスタッフでは、沖縄旅行でオープンカーを借りて沖縄の海沿いを走りました。特に観光地では事業者系カーシェアサービスより、個人間カーシェアが活発に展開されている印象です。その大きな理由が後述する「わ」ナンバーではないことが挙げられます。
個人所有車なので「わ」ナンバーではない
「わ」又は「れ」ナンバーは、自家用自動車の有償貸渡業(レンタカー)として事業用に登録している車のことです。しかしAnycaに登録されている車は、個人が所有している車なのでもちろん通常ナンバー。
やはり、高級車・輸入車を運転するのに「わ」ナンバーというのは恥ずかしいと感じる方も少なからずいると思います。そうした方にAnycaはおすすめ。ただ実態はレンタカーと全く同じなので、今後法整備が進む可能性があります。
デビットカードが一部利用できる
Anycaでは、銀行口座から利用金額がすぐに引き落とされるデビットカードが「一部」利用できます。その詳細はAnyca自身も把握できていないようですが、今後利用可能なカードは増えるのことです。対してタイムズカーシェアを始め多くの事業者系カーシェアサービスでは、デビットカードの利用ができません。
そのため、クレジットカードを持っていない方、デビットカードを使いたい方はAnycaの利用がおすすめです。デビットカードの申込みは、三井住友銀行のようなメガバンクを始め多くの金融機関から可能です。
オーナーによっておもてなし方法が異なり面白い
Anycaは良い意味でも悪い意味でも個人との直接的なやりとりが不可欠です。女性ユーザーの場合ここに怖さを感じる方も多いと思いますが、それはオーナーも同じ気持ちです。気持ちよく車を使ってほしいと思っているオーナーがほとんどで、少なくとも私がAnycaを使用する中で「嫌だった」「悲しい」体験をしたことはまだありません。
- ペットボトルのお茶を人数分用意してくれた
- 車内に汗拭き用のボディペーパーが置かれていた
- 車は洗車されボディ・車内が清潔だった
- 車の使用方法に関するマニュアルを用意してくれていた
など、オーナーによっておもてなし方法が異なり、車への愛着やシェアリングサービスの面白さを感じることができました。
融通が利きやすい
▲新千歳空港-駐車場
例えば北海道でキャンピングカーをAnycaで利用した際、キャンプ道具も一緒に貸してくれました。沖縄でオープンカーを借りた際は、那覇空港での受け渡しに対応してくれました。返却時間が少し遅れそうなときも、電話でその旨を報告しこころよく引き受けてくれました。
タイムズカーシェアのようにシステマチックに済ませることでトラブルを防止できるところもありますが、Anycaでは人の暖かさを感じながら、お金以上の体験ができます。もちろんそれを利用して、約束時間やルールを破っていいわけではありません。
タイムズカーシェアとAnycaの両方に登録する方も多い
カーシェアとレンタカーの違いは、事業者あるいはオーナーが所有する車を会員間で共同利用する「会員制サービス」であることです。そのため月会費がかかるのが一般的。
しかしAnycaは月会費がかからないため、登録しているだけではお金がかかりません。これは大きなメリットと言えますが、「長時間利用を前提」「給油が必要」などどちらかというとレンタカーの性質が強いため仕方ないでしょう。
ですから、タイムズカーシェアとAnycaの両方に登録して、利用シーンに合わせた使い方をしている人も多いです。実際に私はその例。例えばカレコやオリックスカーシェアなら月会費がかからないもあるため、固定費を抑えながら様々なクルマを楽しむことができます。
おすすめカーシェア | 強み・特徴 |
Anyca(エニカ) |
・ライフスタイルに合わせた車選びができる ・人との出会いがありコミュニケーションを楽しめる ・「わ」「れ」ナンバーではない |
タイムズカーシェア | ・「どこにでもある」という安心感 ・全国にステーションがあり国内シェア1位 ・利便性の高さは圧倒的にタイムズカーシェア |