これは実際にカーシェアを使って引越しした際の様子です。このときはタイムズカーシェアのノアを6時間パックで借りましたが、車内は家財でいっぱい。たまたま傷を付けずに返すことができましたが、単身の場合は大型家財だけでも引越し業者に任せた方がいいでしょう。
価格だけを考えればレンタカーよりもお得に引越しすることができますが、慣れない大型車と傷の心配、時間に追われる感覚は心臓に悪いです。タイムズカープライス側としてもこうした利用は望んでいないでしょうし、もしかしたら微細な傷が付いてしまっているかもしれません。
結論としては、カーシェアを使った引越しはおすすめできません。しかし、以下4点の条件を満たしている場合のみ選択肢として「カーシェア」はアリです。
- 短距離(10km圏内)
- 大型家財以外の運搬
- 運転と体力に自身がある
- 二人以上で作業する
ここではカーシェアを使った引越しの注意点や具体的なカーシェアサービスの選び方をまとめていきます。
引越しに向いているカーシェアリングの選び方
引越しに向いているカーシェアを選ぶ大前提として、現住所又は引越し先近くにカーシェアステーションがあることが条件になります。
料金で選ぶ
引越しは思っている以上に時間がかかるため、できるだけパック料金で申込みましょう。カーシェアは短時間利用を想定したサービスで、延長の申込みを繰り返しながら利用し続けることもできますが、その度に手をとめるのは事故の元。最低でも6時間以上のパックを申込み、引越し作業に集中できる環境を整えましょう。
またタイムズカーシェアの場合、6時間パックなら距離料金がかからないためかえってお得になることも多いです。
カーシェア | 6時間 | 12時間 | 備考 |
タイムズカーシェア | 4,020円 | 6,690円 | 車種問わず同一料金 |
オリックスカーシェア | 4,000円 | 6,500円 | 個人Aプランの場合 |
カレコ | 3,800円 | 6,300円 | ミドルカー、ベーシックプランの場合 |
【参考】レンタカーの料金
レンタカー | 6時間 | 12時間 | 補償 |
タイムズカーレンタル | 10,886円 | 13,219円 | 1,404円 |
ニッポンレンタカー | 14,256円 | 15,336円 | 1,404円 |
タイムズカーレンタル、ニッポンレンタカー共に、料金が最安となる会員価格で試算。また引越し用の車両として、ミニバン、ワンボックスカー用のプランで設定しています(W-4クラス、Y-A)。料金だけで見れば間違いなくカーシェアがお得です。
ナイトパックを使って引越し
各社のナイトパックを利用すれば料金を非常に安く済ませられます。カーシェアは日中よりも夜の方が利用料金も安く設定されています。また走行より積み込み・荷降ろしに時間がかかる引越しの性質を考えるとカーシェアは適していると言えます(ナイトパックの場合6時間未満の利用でも距離料金が加算されます)。
参考:タイムズカーシェアの夜間パック
夜間ナイトパック | 利用料金 | 距離料金 |
アーリーナイトパック 18~24時 |
2,060円 | 16円/走行km |
レイトナイトパック 24~翌9時 |
||
ダブルナイトパック 18~翌9時 |
2,580円 |
レンタカーの場合、夜間の利用がどうしてもできないため、カーシェアの性質を最大限活かすならナイトパックがおすすめです。しかし事故・ケガ、近隣への騒音など、リスクやトラブルを想定して行うようにして下さい。
補償で選ぶ
引越しはあなたが考えている以上に専門的なお仕事です。引越し中にケガをしてしまったり、熱中症で倒れてしまったりすることも起こり得ます。また車両を傷付けてしまう、引越しで疲れてしまって返却時の運転で事故を起こしてしまうことも考えられます。
そうしたときのために事故時の補償については必ず考えておく必要があります。なお基本的に、各社すべての車両に、対人・対物・車両の補償がついています。これはレンタカーにはないメリット。また単純に補償だけで選ぶなら、dカーシェアがおすすめです。無料の範囲内で受けられる補償が非常に充実しており、引越し時も安心です。
しかし、dカーシェアはオリックスカーシェアの車両を利用しており、そのオリックスカーシェアには引越しに適したミニバンタイプの車が「フリード」のみでステーションも少ないデメリットがあります。そのため現実的なのは、タイムズカーシェアあるいはカレコ。有料の補償になりますが、1利用につき約300円でNOCが免除となります。これはレンタカーの保険代と比べても大変お得なので必ず付けておきましょう。
車種で選ぶ
引越しに適した車両となると、まず「大きい」ことが条件です。しかし必要以上に大きいとむしろ事故のリスクが高まり危険です。例えば、タイムズカーシェアではNV350キャラバンをスタンダード料金で借りることができますが、荷物で車がいっぱいになるとブレーキの効きが甘くなったり、バックミラーが見えなくなったり、ただでさえ慣れていない車で更に難易度が上がります。
またNV350キャラバンが設置されているステーションはIKEAなど、家具量販店が中心です。引越し後は当然車を返却しなければならないため、現住所付近にステーションが無ければわざわざこういった車両を選ぶ必要はないでしょう。
最もおすすめしたい車両は、座席を倒してフルフラットにできるミニバン・ワンボックスカーです。ほとんどのカーシェアの車両は布シートですから、木製の家財などを運搬するときに切ってしまわないよう、養生やバスタオルなどを敷いてシートを守るようにしましょう。
ちなみにカレコではハイラックス(TOYOTA)が設置されています。ステーションは新宿・渋谷限定で、現住所近くでなければあまり実用的ではありませんが、荷物を運ぶためならこの形が理想です。
カーシェア | 大型車種 |
タイムズカーシェア | NV350キャラバン、セレナ、ノア、ボクシー |
オリックスカーシェア | フリード |
dカーシェア | |
カレコ | ハイラックス、ランドクルーザー、ボクシー、エスクァイア |
カーシェアの引越しは上級者向け
自分で引越しするというのも大変骨が折れる作業だというのに、その移動手段としてカーシェアを使うというのは正直おすすめできるものではありません。事故やケガのリスク、また条件が合わなかったり不測の事態が起これば割高になることもあります。
特に単身で短距離の引越しであれば、時期や業者によって2~3万円で済ませられることもあるため、決して無理しないようにしましょう。
カーシェア | 引越しに適している理由 |
カレコ |
・大型車種の取り揃えが多い ・ナイトパックが安い |