カーシェアリングサービスや、それらに関するサイトを見ていると「距離料金」という普段見慣れない言葉が出てきます。レンタカーでも距離料金をとっているサービスはなく、カーシェアリングに限定された特殊なシステムになっています。
また、カーシェアリングは本当にガソリン代を払わなくてもいいのか疑問に思っている方も少なくないようです。
実は距離料金とガソリン代は密接な関係にあり、カーシェアリングを有効活用していく上で最初に理解しておきたいことになります。本記事では、カーシェアリングの距離料金とは何なのか?なぜガソリン代を支払わなくてもよいのか?その理由を同時に解説していきます。
なぜカーシェアでは「距離料金」が発生するの?
カーシェアリングは、利用者がガソリン代を支払わなくてもよいことになっている代わりに、距離料金が発生する仕組みになっています。
理由は、短時間利用者の利便性を向上させるためだからです。
レンタカーは最低でも6時間以上の貸出になりますが、カーシェアリングは、15分もしくは30分から利用することができます。
そのため、短い時間しか利用しない方にとっては、ガソリンを給油しにいく時間がもったいないと感じますし、そもそも給油するほどでもない距離しか走らない方も多くいます。
こうした短時間利用者の利便性を考慮し、ガソリン代をカーシェアリングサービスが負担する代わりに、1km単位の距離料金を徴収する形になりました。
カーシェアの車のガソリンは誰が給油しているの?
給油はカーシェアを管理する運営会社か、利用者(会員)が行います。もちろん、短時間利用者の方が給油をすると、時間的に不利になってしまうので、各社ともガソリンの残量が半分以下の車に給油をした際に、利用料金の割引が行われます。
ガソリン代は利用者が立て替える必要はなく、写真のような車内に備え付けの給油カードを使って給油を行います。
給油カードによる給油方法は以下の記事で詳しくまとめています。
給油は必ずしないといけないの?
ガソリンの残量が半分以下でも、利用者が給油をする義務はありません。
ただし、ガス欠になって走れなくなった場合は、ロードサービスを呼んで非常用のガソリンを給油してもらうか、最悪の場合レッカー移動になってしまうため、1/3以下になったらガソリンスタンドを見つけ次第、給油することをオススメします。
前述の通り、短時間利用であれば利用料金が一部割引されるため、残量が少なかったら積極的に給油しましょう。
ガソリン代(レンタカー)と距離料金(カーシェア)どっちがお得?
結論から言うと、ガソリン代実費を支払った場合(レンタカー)がお得になるケースが多いです。
上表はタイムズカーレンタル(レンタカー)でレギュラーガソリン代実費を払った場合と、タイムズカーシェアで距離料金を支払った場合の料金の差です。
燃費が10km/1Lの車であれば、距離料金との差はそれほど大きくありませんが、コンパクトカーや軽自動車、ハイブリッドカーのような低燃費の車の場合は、圧倒的にガソリン代実費を支払った方が安くなります。参考までに、トヨタのアクアでは、実燃費が22~25km/1Lと言われているため、上表よりもさらに安くなります。
距離料金が発生しないカーシェアサービスは?
オリックスカーシェアは、例外なく距離料金が発生してしまいますが、タイムズカーシェアやカレコ、dカーシェアでは、6時間以内の利用は、距離料金が発生せず、時間単位の利用料金のみが発生するようになっています。
また、最近サービスが開始した日産の「e-シェアモビ」では、どんなに利用しても距離料金が無料である上に、時間料金も非常に手頃な設定になっています。6時間以上でも距離料金が発生しないサービスは今のところe-シェアモビぐらいしかありません。
日産のe-シェアモビの距離料金が発生しない理由は、貸出車両が日産の電気自動車「リーフ」と、ハイブリッドの「ノート」を採用していることと、日産の宣伝活動としても一役買っているからだと考えられます。
電気自動車と低燃費なハイブリッドカーを採用することで、ガソリン代は他の車に比べてほとんど発生しませんし、自社の自動車を利用するため車両購入のコストを抑えられます。この体験を機会に日産車を購入するきっかけになるかもしれないと考えると、日産にとってはコストパフォーマンスの良い宣伝活動にもなり、ユーザーにとってもメリットしかないため、いま非常に気になるサービスです。
まとめ:カーシェアの距離料金とガソリン代の関係性
- カーシェアは短時間利用者の利便性のため、利用者が給油する手間を省いた
- 給油をした短時間利用者は割引の特典が得られる(長時間は例外)
- 車内に備え付けの給油カードを使うので立て替える必要はない
- 給油は義務ではないが、余裕をもって給油したほうが良い
- 実はガソリン代実費よりも距離料金のほうが高くつくことが多い
- 6時間以内であれば距離料金が発生しないサービスがある
- 距離料金が全く発生しないサービスは現状日産の「e-シェアモビ」しかない
「距離料金」はカーシェアの利用者以外にはあまり馴染みのない言葉ですが、要するに利用者がガソリン代を支払わずに利便性を向上させつつも、利用者が公平にそれを負担するようにしたシステムのことです。
ユーザーに立て替えたガソリン代の実費を請求することも難しいため、1km単位の均一料金で請求するシステムをとっています。元々、レンタカーのように長時間の利用を想定したサービスではないため、同じような使い方をすると、ガソリン代実費を支払うレンタカーの方が安くついてしまうことがほとんどです。
例外的に、一部のサービスでは6時間以内の利用では距離料金が発生しないようになっています。そのような使い方をする人は、長距離移動よりも車で30分から1時間くらいの場所まで行き、停車して用事を済ませるようなケースがほとんどであるため、距離料金を徴収するよりも気軽に使ってもらおうという狙いで短時間利用は例外にしているのだと考えられます。
唯一距離料金が一切発生しない日産の「e-シェアモビ」は、個人的にはなかなか面白いサービスだなと感じています。ステーションはまだまだ少ないため多くの方は利用できませんが、利用料金も業界最安クラスに設定されているため、距離料金を気にせず長距離運転を楽しむことができそうです。
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