日本でオリックスがカーシェアリングサービスを始めて以来、多くの事業者がサービスを展開しており、近年は急速にカーシェア人口が増え続けています。その中でも、利用者・ステーション数・車両数などの規模が最も大きいサービスはタイムズカーシェア、次点でオリックスカーシェア、カレコです。
ステーション数が1,000ヶ所以上、車両数が1,000台以上でサービス展開を東名阪でしているのはこの3社だけです。また、実際にさまざまなサービスを利用してみると、この三社であれば安心して利用できると感じています。
しかし必ずしも、利用者が一番多いタイムズカーシェアが必ず優勢とは限らず、三社ともさまざまな違いがあり、利用用途やシーンによって適したサービスは異なります。例えば、最も利用シーンが多い自宅付近にカーシェアのステーションが無ければ意味がありません。ちなみに私が住んでいる東京都東村山市では、カレコがサービス展開していないため、どんなに優れたサービスだと分かっていてもまず候補に挙がりません。
本記事では、以下の観点でどのサービスが一番適しているかを比較し、まとめています。
- 旅先での利用
- 長時間利用
- 充実した補償・安全装備の充実
- 数ヶ月に一度の利用
- 車種のバリエーション
- 子育てでの利用
- レンタカーとの併用
旅先で利用したいなら~タイムズカーシェア
47都道府県でサービスを展開しているのはタイムズカーシェアだけです。
全国の県庁所在地や主要駅の近くにステーションが設置されており、旅行や出張をする際に利用できるよう、車社会で利用者が少ないであろう地域にも、ステーションを設置しています。
北海道でサービスを提供しているのもタイムズカーシェアだけですが、北海道東部に限られます。
長時間利用をしたいなら~オリックスカーシェア
オリックスカーシェアは、長時間のパック利用が最も安く設定されています。
タイムズカーシェアとカレコは、6時間以内の利用であれば1km/16円の距離料金が発生せず、オリックスカーシェアはいかなる場合でも1km/15円の距離料金が発生するため、場合によっては6時間利用は他社の方が安くなる場合もありますが、12時間以上のパック料金になると、利用料金で2,000円近くの差が開きます。
充実した補償や安全装備で安心して利用したいなら~カレコ又はタイムズカーシェア
補償の面では、タイムズカーシェアとカレコが同等ですが、安全装備の導入を積極的に進めているのはカレコです。
カレコには1利用につき、たった324円で加入できるオプション補償があり、事故などのトラブル時の免責額が0円になります。オプション補償にはロードサービスも付帯しているため、万が一クルマがパンクしてしまった際も安心です。タイムズカーシェアも同じような補償を309円で用意していますが、2年間で事故を2度も起こしてしまった際は強制退会などの重いペナルティが課されてしまいます。
また、カレコは積極的に貸出車両への自動ブレーキシステムなどの安全装備の導入を進めており、予約時にそれらが装備されているか確認できるようになっています。
数ヶ月に一度などたまにしか利用しない方なら~オリックスカーシェア又はdカーシェア
月会費無料プランはオリックスカーシェアとカレコが提供しており、どちらが合っているサービスであるかは場合によりけりです。
大手三社の月会費有料プランには、月内に利用できる月会費と同額の無料利用分が付与されるため、毎月会費分以上を利用する方は月会費を実質無料で利用できます。しかし、数ヶ月に1回しか利用せず無料利用分を使うことができない人は月会費を無駄に払ってしまうことになります。
タイムズカーシェアには月会費無料プランがないため、月会費無料プランの比較をすると、無料プランでも利用料金が安いのはカレコになりますが、無料プランと有料プランへの変更が柔軟にできるのはオリックスカーシェアです。
よって、使わない月が明確に決まっていて、月ごとのプランを毎回変更できる器用な方にはオリックスカーシェアの個人Bプランがオススメです。
そんな面倒なことをしたくない方にはカレコの月会費無料プランがオススメです。
また、大手三社ではありませんが、オリックスカーシェアの車両を利用しているdカーシェアも、利用料金が安く抑えられていますので、オリックスカーシェアの車両を利用しながら面倒なことをしたくない方にはdカーシェアがオススメです。ただし、システム上は同一なのか、オリックスカーシェアの会員資格を同時に持つことはできず、一方しか契約することができません。
さまざまな車種を楽しみたいなら~カレコ
カレコは安全装備だけではなく車両そのものへの投資を積極的に行っています。幅広い車種を用意しており、その車種の幅広さは他社を圧倒しています。高級車のラインナップもカレコが最も多く、車種別料金も4つに分けられています。
住宅街や郊外のステーションにある車種は、フィットなどのコンパクト車や、プリウスなどのセダンであることがほとんどですが、カレコの場合はそれだけではなく、CX-5などのSUVやヴォクシーなどのミニバンなどが用意されていることが多く、比較的新しいクルマが用意されている印象です。
子育てで利用したいなら~カレコ
カレコはチャイルドシートを一部車両に装備されており、「三井のリハウス」の一部店舗などで貸出サービスを実施しています。
3社ともほとんどの車両でジュニアシートを標準装備していますが、ジュニアシートは3歳以降が対象のシートで、チャイルドシートとは異なります。
チャイルドシートの設置車両は首都圏の中心部に限られてしまいますが、貸出サービスは関西圏でも展開しています。
【おまけ】レンタカーも併用するなら
提携レンタカー会社の特典が最も充実しているのはタイムズカーシェアです。同社のタイムズカーレンタルがお得に利用できます。
運営会社のタイムズ24は、レンタカーサービスも提供しており、タイムズカーシェア会員の方は、最大25%オフで利用できます。さらに、17:00から予約をすれば翌日の営業開始時間までの分がサービスされる特典も受けられます。
また、一部店舗に限られますが、タイムズカーレンタルもカーシェアリング同様に24時間の貸出・返却に対応したため、さらに簡単に使いやすくなりました。長時間の利用など、場合によってはレンタカーの方がお得になる場合もあるので、それらを使い分けるのも賢い方法です。
カーシェア大手三社比較まとめ
- 全国各地で使えるのはタイムズカーシェアだけ
- 長時間利用はオリックスカーシェアが一番安い
- 補償、安全装備はカレコが一番充実
- 無料プランはオリックスとカレコのみ
- 車種のバラエティに最も富んでいるのはカレコ
- チャイルドシートの導入はカレコだけ
- 提携レンタカーの特典はタイムズカーシェアが充実
さまざまな観点から比較をしてみましたが、実際に利用してみても一番サービスが充実しているのはカレコである印象を受けました。
しかし、ステーション数がまだまだ少なく、利用できる場所が限られているのが現状で、最大手のタイムズカーシェアのサービス自体も決して悪くはありません。やはり、近くにステーションがあること、旅先など全国各地で利用できる利便性と安心感は非常に大きいです。
そして残念なのがオリックスカーシェアです。たしかに、長時間利用が最も安いという他社にはない大きなメリットはありますが、補償もいまひとつで、無料プランも割高、そして実際に利用してみても感じましたが、車両のラインナップは正直微妙で、車内の清掃もイマイチで、本当に定期的に点検されているのだろうかと心配になることもあります。利用者数は多いですが、すでに車両、ステーション数ではカレコに抜かれてしまっており、カレコに比べて本気度が伝わってきません。
各社とも初月分の月会費無料のキャンペーンを実施しているので、まずは最寄りのステーションで実際に体験してみることをオススメします。もっと細かく各社を比較したい場合は下記も一緒に読んでみて下さい。