今回は「東京23区内でも車は必要か?」というアンケートを行いました。結果は、12%が必要、88%が不要という圧倒的な結果になりました。
「若者のクルマ離れ」が囁かれる現代ですが、経済状況や所得など、それは若者に限らず全世代で「車を手放す」「持たない」「シェアリングする」思考にシフトしています。そして何より、東京都心では交通網がそれこそ「網」のように張り巡らされ、車を所有する意味が薄れています。
決して若者やこれまで車を所有していた方が「車を嫌いになった」「興味がない」わけではなく、東京の交通インフラが整備され、移動手段としてのツールが分散した形だと分析します。言い換えると「車が生活に欠かせない地域」というのは、交通インフラが未整備の状況です。
以上のことが今回のアンケート結果から見えてきました。
東京23区内でも車は「必要派」の意見
- 都心に住んでいる人が都心を利用するならあまり必要ないが、都心に住んでいる人も郊外を利用するし遠方へ行くし、様々な生活スタイルがある。[48歳:男性]
- 公共機関の利便性は高いものの、やはり行きたいところへ直接行ける車の方が便利。早朝や深夜、自由に出かけられるため自家用車は便利だと思う。[38歳:男性]
- 緊急事態を考えると車は必要と考えています。夜中に身内の危篤が知らされた時など車がなければ、どうすることもできません。[44歳:男性]
- 車がなくても、タクシーや電車等で移動できるが、例えば、緊急時や夜中に外出する際に車がなければ不便になってしまう。[40歳:男性]
- 電車やバスが頻繁に走っている地域であればよいが、東京であっても街によってはそうではないところもある。郊外の区である、世田谷、練馬、杉並、足立、江戸川、大田では縦に走る交通が少ないことや郊外型の店舗も比較的存在するため、車があっても良いと思う。[42歳:男性]
- バスが運行されているルートは、地下鉄や電車ではカバーできない基本的に車が必要な地域。東京でもバスの運行が盛んなことを考えると交通手段としてまだ必要だと思われる。[54歳:男性]
- デートは絶対に自家用車じゃないと恥ずかしい。思い付きで色々な場所に行けますし、夜の首都高は夜景を眺めながらのドライブも良いと思います。[26歳:男性]
- 東京23区といっても場所によっては公共交通機関が遠くて利用しづらかったり、店舗が遠かったりして不便な場所もあります。[39歳:女性]
- 家族での旅行や帰省を考えると必要だと思う。[35歳:女性]
「必要派」意見のまとめ
家族持ちや子育てなどで、緊急事態が生ずる家庭なら場所に限らず車が必要だという意見が多いように思います。例えばカーシェアやレンタカーを利用するにしても、子供がいる家庭では汚さず、きれいに使うことも難しいでしょう。利用する度にチャイルドシートを設置したり、おもちゃや備品を持ち歩くのも大変です。
実際に「子育てに自家用車は必要だと思いますか?」という別のアンケートでは、89%もの方が「自家用車は必要」と答えました。今回のアンケート結果では88%が「東京23区内では車は不要」と答えているため、全く逆の結果になったことが分かります。
東京23区内では車は「不要派」の意見
- 公共交通機関を利用するほうが、スムーズに移動ができるし駐車場所などを考える必要もない。駐車スペースや料金を考えると自分の車で行動するよりも楽だと思う。[27歳:男性]
- 朝夕の道路の混雑具合からして、車の通勤等については、出勤時間等を守れない。23区内においては特に時間の計算ができない。[34歳:男性]
- 公共交通機関とタクシーの併用で十分どこでも移動できる。緊急時もタクシーを呼べばすぐに来る。自分で運転しなければならないときもカーシェアのステーションが近くにある。[30歳:男性]
- 駐車場も少ないし、カーシェアリング、バス、電車、地下鉄、タクシーなど交通機関が発達しているのでいらないと思う。[31歳:女性]
- 維持費が高い。特に駐車場が高く場所によっては数万円以上かかってしまうので、収入に見合っていないならば不要。[29歳:男性]
- 東京に遊びに行った時、5分ほど歩いたら次の駅があったのにはビックリした。[26歳:男性]
- あえて高コストな車を持つなら便利な立地の家を借りた方が良いと思う。[32歳:女性]
- アパートを借りても駐車場代も別にかかったりする。そもそも土地が少ないし高いので経済的な理由で持てない人が多いと思う。[32歳:女性]
- 実際に自動車を所有していますが、23区外へ旅行する以外は殆ど自動車を乗る事はありません。23区内を移動するにはバスや電車に比べ時間がかかりますし、コインパーキングに駐車するのにも空きスペースを探すのが困難な場合もあります。[38歳:男性]
- 道がわかりにくい。また、東京は歩行者が多い。そのような中で運転しているとイライラしたり、運転に集中できなかったりするので事故が増える。なので私は事故を起こしたくないので車は不要と考える。[46歳:男性]
「不要派」意見のまとめ
不要派の意見では「公共交通機関の整備状況」に関する指摘が8割以上を占めました。これは車に対する価値観の変化、例えば「ステータス」から単純な「移動手段」として車を捉える方が増えたのも一因でしょう。こんなに電車・地下鉄・バスが通っているのに、なぜわざわざ自家用車で移動しなければいけないの?といった現実的な意見が多く見られました。
その他、新たなインフラの手段として「カーシェアリング」の利用を推奨する方も多く見られました。自家用車を持たない方は、居住先を決める条件として、駅から徒歩圏内であると同時に、近隣にカーシェアリングの「ステーション」があるかどうかも確認しているようです。決して23区内で「車がいらない」「車を使わない」ということではなく、持ち方や利用方法が多用化しているのだと分析します。
また23区内においてその必要性を感じないだけで、家庭を持ち郊外に引越しすると、自家用車の必要性を感じ始めるようです。