弘前は津軽地方の中心都市で、県内で青森市、八戸市の次に大きい都市です。観光スポットでは弘前城が有名で、県内唯一の国立大学である弘前大学が設置されている場所でもあり、昔からの建物も現存しているところも多く、文化的なまちでもあります。
今回私たちはねぶたシーズンに「弘前ねぷた」「五所川原立佞武多」を始め、各地のお祭りを鑑賞するため青森へ訪れました。夜中に開催されるお祭りまでの日中の楽しみ方と、私たちが実際に回った青森市から弘前方面へのドライブルートを紹介します(日帰り)。青森市中心部から弘前まで車で約1時間、電車で約40分ほどで行くことができます。車で弘前市に向かう場合、黒石ICから降りるルートが最短ですが、今回は、浪岡や田舎館村など、寄り道をしながら向かうプランにしました。
また、高速道路を利用せず、一般道や青森空港有料道路を経由したルートでもそれほど時間がかからず行くことができます。
【津軽地方の観光スポット】
・道の駅なみおか(特産品やお土産が多くその場で食べられる)
・道の駅いなかだて「弥生の里」(田んぼアートが見どころ)
・そば処 清水(そばだけじゃなく天ぷらもオススメ)
・直売所 野市里(産直の野菜や獄きみソフトなどがある)
・岩木山神社(パワースポットとして有名。縁結びなどのご利益)
・スターバックス弘前公園前店(素敵な外観)
・弘前公園(名所だが工事中に付き天守は有料エリアのみで観られる)
道の駅なみおか
東北自動車道の浪岡ICを降りてすぐ近くの場所に道の駅なみおかがあります。こちらの道の駅は個人的に立ち寄ることをオススメします。
あおもりカシスや獄きみといった青森の特産品を使ったものをその場で食べることができ、道の駅だけでさまざまな青森の味覚を楽しむことができます。
その場で獄きみ(とうもろこし)を使ったお菓子や、青森の特産品を使ったジェラートを食べることができます。
スポット | 道の駅なみおか |
営業時間 | 9:00~19:00 |
滞在時間目安 | 30分未満 |
住所 | 〒038-1331 青森県青森市浪岡大字女鹿沢野尻2番地3 |
駐車場 | 無料 |
道の駅いなかだて「弥生の里」
道の駅なみおかから弘前方面に向かう道中にも、道の駅に寄りました。道の駅いなかだてには、お土産や新鮮な野菜などが売られているだけではなく、フリーマーケットが開催されていたり、子供が楽しめるアスレチックなどがあります。
そして、広大な田んぼにさまざまな色の稲を植えて絵画にした「田んぼアート」を展望所から眺めることができます。
展望台の入場料は300円ですが、田んぼに広がった絵は思っていた以上にスケールが大きく、田んぼの反対側には石を使ったものが鑑賞できます。
田んぼの絵は毎年入れ替わっており、今年は手塚治虫作品のキャラクターをモチーフにしていました。ここ以外にも田舎館村役場でも田んぼアートを鑑賞することができます。例年、道の駅では有名人や人気キャラクターなどを題材にし、田舎館村役場では田舎館村や津軽地方にまつわる題材をテーマにしています。
田んぼアートの近くには、道の駅いなかだて「弥生の里」があり、こちらで車を駐車することが可能です。お土産の数は道の駅なみおかよりも多く、ご当地キャラクターのグッズなども販売されています。
道の駅の周辺には競馬を大型ビジョンで楽しめるウインズ津軽があります。
スポット | 道の駅いなかだて「弥生の里」 |
営業時間 | 産直センター 8:30~18:00 (12月~3月は17:30まで) 弥生の里展望所 8:30~18:00(冬期間は閉鎖) |
滞在時間目安 | 30分未満 |
住所 | 〒038-1111 青森県南津軽郡田舎館村高樋八幡10 |
駐車場 | 無料 |
そば処 清水
弘前市に着いた頃にはお昼になっていたので、そばを頂くことにしました。弘前市で有名なそば屋といえば「高砂」ですが、人気店で昼時は1時間以上の待ち時間を覚悟しなければなりません。そこで観光客にはあまり知られていない穴場蕎麦屋としておすすめしたいのが「そば処 清水」です。
人気メニューの「二色蕎麦」は、更科系一番粉を使った白く弾力があるそば(津軽そばではない)。歯切れがよくかつ腰が強い、八割そばで麺は細め。二色蕎麦だとめんつゆだけでなくゴマダレでも楽しめます。ゴマダレにレモンを絞って食べるのですが、個人的に初めての体験でした。冷たいつけうどんでこの形はありますが、更科そばとの相性も抜群で、細麺の蕎麦とよく絡みます。
また天ぷらは衣がサクサクで全く重くありません。個人的には蕎麦よりもこちらに注目してしまいました。毎日丁寧に油を取替えているのでしょう。弘前の蕎麦屋は「高砂」だけではありません。特にねぷたシーズンは高砂が連日満席のため、ここ清水がすぐに入れておすすめです。
スポット | そば処 清水 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
滞在時間目安 | 30分未満 |
住所 | 〒036-826 青森県弘前市茂森新町1-1-14 |
駐車場 | 無料 |
直売所 野市里
岩木山をより近くで観ようと、弘前市中心部から岩木山神社に向かうこと約20分、「獄きみソフト」という文字が見えたので直売所 野市里へ立ち寄ってみました。
早速獄きみソフトを食べてみることに。しかし、味は良くも悪くも想像通り。やはり獄きみはそのまま食べたほうが美味しいと感じました。
こちらは道の駅ではなく直売所となっており、客層も地元の方が多く、新鮮な野菜を購入することができます。お土産コーナーは他の道の駅と比べると少しだけ少ないかもしれません。
スポット | 直売所 野市里 |
営業時間 | 8:30~18:00 |
滞在時間目安 | 30分未満 |
住所 | 〒036-1341 青森県弘前市宮地川添77-4 |
駐車場 | 無料 |
岩木山神社
道の駅から岩木山神社へは10分もせずに到着。岩木山神社は創建から1,200年の歴史があり、鳥居から見える本殿はとても厳かに見え、天気が良いと岩木山がくっきり見えます。パワースポットとしても有名で、金運や恋愛運にご利益があると言われています。
パワースポット自体にはそれほど興味はありませんでしたが、周りの木々と建物の雰囲気が美しく、それだけでも圧倒されてしまいます。
スポット | 岩木山神社 |
営業時間 | 8:30~18:00 |
滞在時間目安 | 30分未満 |
住所 | 〒036-1343 青森県弘前市百沢寺沢27 |
駐車場 | 無料 |
スターバックス弘前公園前店
お茶をするために立ち寄ったのが弘前城近くにあるスターバックス。こちらは他店舗と異なるレトロな雰囲気なのが特徴です。目の前を通る女性客は皆一様にカメラを手に取っていました。
このような有形文化財を利用した店舗はほとんどなく、弘前公園前店は全国で二例目だそうです。
店内は、「本物の」レトロを感じさせる雰囲気で、シンプルでありながらどこか落ち着く内装です。しかし、弘前ねぷたが開催される期間もあってか店内は満席。客席数も多くはなく、少し狭く感じます。
また、弘前市民は「コーヒー好き」としても知られており、弘前市内にはスターバックスに限らず数多くのコーヒーショップがあるので、スターバックスが満席だった際はローカルなコーヒーショップを探索するのも良いかもしれません。
スポット | スターバックス弘前公園前店 |
営業時間 | 7:00~21:00 |
滞在時間目安 | 30分~1時間 |
住所 | 〒036-8207 青森県弘前市上白銀町1-18 |
駐車場 | 隣接する市役所駐車場が利用可能(30分100円) |
弘前公園(弘前城)
弘前公園は、中心部にある大きな公園ですが、かつては弘前城があった場所で、天守などの一部建物が現存しています。弘前城は国の重要文化財に指定されています。
弘前公園は桜の名所としても有名で、お堀には桜の花びらが一面にひろがります。5月頭に桜が満開となるため、GW期間中は多くの観光客で賑わいます。
夏場でも散歩をするのには悪くないのですが、残念ながら園内の橋から弘前城天守が観れなくなっています。耐震性の問題で弘前城の石垣が修理中で、天守が100メートル「移動」してしまったため、天守を近くで観るには大人310円の有料エリアに入るしかありません。
こちらは修復前に撮影した弘前城と桜の写真を橋から撮影した写真です。2015年に始まった石垣の工事ですが、石垣を修理するのに約10年、さらにそこから元の位置に天守を戻すのに約6年かかると言われているため、2030年までこの景色はお預けとなりそうです。
公園内には、弘前市立博物館、弘前城植物園、弘前城史料館など、興味深い建物がありますが、ちょうど私達が訪れた頃には閉館時間の17時ごろだったため、観るのは断念しました。
スポット | 弘前公園 |
営業時間 | 有料エリア内 4月1日~11月23日 9:00~17:00 さくらまつり期間 7:00~21:00 公園自体は24時間、無料 |
滞在時間目安 | 30分~1時間 |
住所 | 〒036-8356 青森県弘前市下白銀町1-1 |
駐車場 | 無料 |
弘前ねぷた
弘前ねぷたは、弘前駅周辺もしくは土手町の周辺で行われます。
青森ねぶた祭りは、「ラッセラーラッセラー」という掛け声と共にたくさんのハネトが跳ね、大きなねぶたが街中を練り歩くというエネルギッシュなまつりですが、弘前ねぷたは対照的に、「やーやどーやーやどー」という掛け声と共にただ街を練り歩きます。観光客はそれをただ眺めるだけです。
弘前市民は「青森ねぶたは盛り上がって楽しいけど、やっぱり弘前ねぷたの落ち着いた上品な感じが一番良い」といいますが、青森市民からすると「そんなのは青森ねぶたに対するコンプレックスで、どう考えても盛り上がる青森ねぶたの方が良い」と言います。
そのような前情報があったのと、午後5時からねぷた祭りが始まる午後7時までの間の時間の潰し方に困ったので、弘前市民から怒られるかもしれませんが、せっかくなので五所川原立佞武多を観に行くことにしました。
イベント名 | 弘前ねぷた |
開催期間 | 毎年8月1日~7日(7日は日中) |
所要時間目安 | 約2時間 |
開催場所 | 弘前駅周辺(5・6日)もしくは土手町周辺 |
五所川原立佞武多
弘前市中心部から五所川原へは車で約30分です。立佞武多の関係で混雑することを懸念していましたが、中心部まで来てもそれほど混雑していませんでした。車は民間の駐車場に停めることができ、1,000円を駐車時に支払いました。
立佞武多は約23メートルもの高さがあり、「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」という掛け声をあげます。観光客は鑑賞するだけですが、立佞武多の大きさは圧巻で、掛け声をあげながら練り歩く人たちも熱気に溢れていました。個人的には弘前ねぷたではなく五所川原立佞武多を観て正解だったなと思います。
イベント名 | 五所川原立佞武多 |
開催期間 | 毎年8月4日~8日 |
所要時間目安 | 約2時間 |
開催場所 | 五所川原駅周辺 |
見どころ満載!弘前は観光名所がたくさん
青森市から田舎館村、弘前、そして五所川原と、津軽地方を中心に回るドライブコースを組みました。本来であれば弘前ねぷたを観て終える予定でしたが、午後5時をすぎると、博物館などの施設が軒並み閉まってしまうため、微妙に時間が空いてしまうのは誤算でした。しかし、結果的に五所川原立佞武多を満喫し、青森ねぶたとはまた違った迫力で、十分に楽しむことができました。
弘前方面へのドライブは、道の駅や直売所をめぐりながら周るのがおすすめです。お土産のラインナップは大体同じですが、食べ物が美味しく、特産品を活かした名産が多い印象を受けました。弘前到着後は、その伝統的な建物・街並みを楽しみながら、史料館、博物館、弘前城を観光。コーヒーで一息ついて、弘前ねぷたまでゆっくりするのもいいですし、私たちのように強行で五所川原立佞武多を観光するのも良いでしょう。