国内最大手のカーシェアリングサービスである「タイムズカーシェア」と、日本で最初にカーシェアリング事業を展開した「オリックスカーシェア」を比較しました。
オリックスカーシェアが先発だったにも関わらず、タイムズカーシェアが車両数、会員数、ステーション数、全てにおいてダントツで1位。会員数も大きく差を開けていることから、サービス面でもタイムズカーシェアの方が優位のように見えますが、実はオリックスカーシェアも利用料金の面などで差別化を図っています。
タイムズカーシェア×オリックスカーシェア比較
タイムズカーシェア | オリックスカーシェア | |
運営会社 | タイムズ24株式会社 | オリックス自動車株式会社 |
利用可能都道府県 | 47(全国) | 19都府県(東北・関東・近畿・東海・沖縄) |
ステーション数 | 10,459ヶ所 | 1,654ヶ所 |
車両数 | 20,985台 | 2,703台 |
会員数 | 965,924人 | 193,182人 |
国内シェア | 第1位 | 第2位 |
支払い方法 | クレジットカード (Visa、Master、JCB、AMEX、Diners) |
クレジットカード (Visa、Master、JCB、AMEX) |
初期費用 | カード発行料:1,550円 (※キャンペーンで無料の場合がある) |
ICカード発行手数料:1,000円 (※キャンペーンで無料の場合がある) |
月会費 | 個人・家族プラン:1,030円(無料利用分1,030円込み) 学生・法人プラン:無料 |
個人Aプラン:980円(無料利用分980円込み) 個人Bプラン・学生プラン:無料 |
利用料金 | 15分/206円~、6時間パック/4,020円 | 個人Aプラン・学生プランの場合 15分/200円(一部300円) 6時間パック/3,500円 |
距離料金 | 6時間以内:0円(夜間パック除く) 6時間以上:16円/1km |
16円/1km |
ガソリン代 | 利用者負担なし | |
オプション保険 | 309円/1利用 | なし(利用料金に含まれる) |
ペット | 同乗禁止 | |
タバコ | 全車両禁煙 | |
提携レンタカー | タイムズカーレンタル (プレミアム会員が付帯、最大25%OFF) |
オリックスレンタカー (会員ランクにより15~20%OFF) |
タイムズカーシェアにあってオリックスカーシェアにないもの
圧倒的な車両数と全国各地にあるステーション
利用できる場所、車両の多さは、業界No.1であるタイムズカーシェア最大の魅力です。ステーション数、車両数共に他社を遥かに上回っています。
シェア | 会員数 | ステーション数 | 車両数 | |
タイムズカーシェア | 1位 | 965,924人 | 10,459ヶ所 | 20,985台 |
オリックスカーシェア | 2位 | 193,182人 | 1,654ヶ所 | 2,703台 |
カレコ | 3位 | 73,592人 | 1,662ヶ所 | 2,794台 |
※2018年3月現在
自宅の近隣や、職場の近くなど、生活圏にカーシェアのステーションがあることは利用する上でとても重要です。コインパーキングだけではなく、マンションの敷地内や商業施設内にも設けられているため、色々な場所で利用できるという利便性、安心感があります。
さらに、多くのカーシェアリングサービスでは、ステーションが設けられている場所が利用者の多い都心部などに限定されていますが、タイムズカーシェアは、全国47都道府県のさまざまな場所に設置されているので、旅先で利用したいという場合にも便利です。
オリックスカーシェアの場合、ステーションが関西圏に集中し、関西圏内で比較してもタイムズカーシェアに劣ってしまいます。
タイムズのサービスがお得に使える
タイムズカーシェアに登録すると、タイムズクラブのプレミアム会員の資格が付帯し、タイムズレンタカーや、タイムズ駐車場などの利用でさまざまな特典が得られます。
たとえばレンタカーは最大25%オフで利用することができます。数日間にも及ぶ利用など、場合によってはカーシェアリングよりもレンタカーの方が適していることもあるため、利用シーンに応じて使い分けることができます。予約した日の前夜分(17:00以降)の利用も追加料金なしででき、毎月付与される月会費相当の無料利用分をレンタカー利用に充てることもできます。
また、タイムズカーシェアを含む、さまざまなタイムズのサービスを利用することで貯まる「タイムズクラブポイント」の付与率が3倍(100円につき3ポイント)にも増える特典も受けられます。タイムズカーシェア以外では、タイムズカーレンタルや、タイムズのコインパーキング、タイムズ スパ・レスタなどでポイントを貯めることができ、貯まったポイントは、タイムズカーシェアの利用チケットや、駐車場のサービス券と交換することができます。
オリックスカーシェアにもオリックスレンタカーの割引が付帯していますが、15%の割引しかされず、半年間に6万円以上利用した上級会員でも20%の割引にとどまります。個人Aプランに加入することで毎月付与される月会費相当の無料利用分も、レンタカー利用分に充てることもできません。ここまで手厚い連携サービスを受けられるのはタイムズカーシェアだけです。
パック料金は均一価格で利用できる
多くのカーシェアでは、車種のクラス毎に利用料金が異なり、パック料金も例に漏れず異なる価格設定をしています。オリックスカーシェアも、スタンダードとデラックスの2種類の車種が設定されており、パック料金の設定も異なります。
しかし、タイムズカーシェアは、15分のショート料金は2倍違うものの、6時間以上のパック料金設定の場合は、ベーシッククラスもプレミアムクラスも同額で利用できます。MINIやAudiの外国車やマツダ CX-5やトヨタ ヴォクシーのような大きめの車種も追加料金なしの均一価格で利用できるため、普段ショート利用でベーシッククラスを使い、パック利用のときだけプレミアムクラスの車両を利用する方が多いようです。
NOC免除も付帯するオプション補償
オリックスカーシェアには、いくつかのロードサービスが無料で付帯しているというメリットはありますが、その内容はやや物足りず、事故時などに請求されるNOC(休業補償)の免除措置もありません。
一方、タイムズカーシェアは、1利用につき309円を支払うことで、充実したロードサービスとNOC免除が付帯した追加のオプション補償に加入することができます。ショート利用でもパック利用でも、一律の値段であるため、短時間の利用の際は少し割高に感じてしまいますが、これさえ加入しておけば、万が一のときにも安心して利用できます。
NOC、休業補償について補足すると、貸出を中断して修理やメンテナンスをする際の補償としてカーシェアリングサービス側に支払う料金のことを指します。タイムズカーシェア、オリックスカーシェアのNOCは自走可能な場合は2万円、自走不可能な場合は5万円を支払う規定になっています。車両補償の免責額が0円に設定されていますが、車両にかすり傷を付けてしまった自損事故でも、貸出を中断して修理をする必要があるので、NOC免除の補償に加入していない場合は、最低でも2万円を支払わなければなりません。
オリックスカーシェアにあってタイムズカーシェアにないもの
利用料金が安い
オリックスカーシェアの大きな特徴として、長時間利用の安さが挙げられます。タイムズカーシェアに比べて安く設定されており、スタンダードクラスの車種を24時間利用した場合では、2,230円もの差が開きます。
タイムズカーシェアのメリットとしては、車種によるパック利用料金の違いがないことが挙げられますが、この料金はオリックスカーシェアのデラックスクラスの料金と大差がなく、車種へのこだわりが特にない場合は、オリックスカーシェアの方がお得に利用することができます。
月会費無料プランが用意されている
利用料金は少し割高になってしまいますが、タイムズカーシェアにはない月会費無料プランが用意されています。
タイムズカーシェアの場合、月会費無料プランや休会制度が用意されていないため、利用しない月も月会費分を支払わなければなりませんが、オリックスカーシェアの場合は、実質的な休会制度ともいえる月会費無料プラン(個人Bプラン)が用意されています。
カレコのように無料プランへの変更に制限を設けているサービスもありますが、オリックスカーシェアの場合は、プラン変更を行うことに関する制限はなく、変更手続きを行った翌月から新プランが適用されます。上図のように、1月中に個人Aプランから個人Bプランに変更手続きを行った場合、2月から個人Bプランが適用されます。2月中に個人Aプランへの変更を行ってしまえば、3月からはまた個人Aプランに変更することが可能です。
時々しか利用しない方でも、利用しない月がはっきりしているのであれば、月会費を無駄にすることなく利用することが可能です。
また、利用しない月の方が多く、月会費と利用料金を抑えながらオリックスカーシェアの車両を利用したい方には、dカーシェアの登録をオススメします。月会費が無料でありながら、利用料金がオリックスカーシェアの個人Bプランも安く設定されている上に、無料で付帯する補償も充実しています。ただし、システムの関係上、オリックスカーシェアとdカーシェアの両方を同時に契約することはできません。
ロードサービスが無料付帯
前述の通り、NOC免除がついた補償はありませんが、オリックスカーシェアにはいくつかのロードサービスが無料で付帯しています。
オリックスカーシェア | タイムズカーシェア | |
対人補償 | 無制限(免責0円) | |
対物補償 | ||
車両補償 | ||
人身傷害補償 | 1名/3,000万円まで | 無制限(免責0円) |
バッテリー上がり | 無料 | 実費 |
キー閉じこみ時の鍵開け | ||
スペアタイヤへの交換 | ||
燃料切れ | ||
レッカー移動 | 実費 |
タイムズカーシェアの場合は、1利用309円のオプション補償に加入しなければロードサービスが付帯しませんが、オリックスカーシェアは、オプション補償がない代わりに、各種ロードサービスが付帯しています。
学生会員は5年間有効
タイムズカーシェアの場合、学生会員の資格は入会から4年間有効ですが、オリックスカーシェアは、5年間有効です。もちろん、大学などを卒業してからも会員資格は維持されるため、大学4年生の時に入会してしまえば、大学卒業後も4年間は学生会員として利用できるわけです。
学生会員になると、月会費が無料のまま、個人Aプランと同じ料金設定で利用することができるため、大変お得です。半年間で3万円以上利用することで恩恵が受けられるプライムステージプログラムの対象外となってしまいますが、途中で一般会員に切り替えることも可能です。
リアに貼ってあるロゴシールがあまり目立たない
基本的にカーシェアリングの車両には運営会社のシールが貼られていますが、タイムズカーシェアに比べると、オリックスカーシェアの車両のシールはそれほど目立ちません。
オリックスカーシェアのシールが青を基調にし、窓ガラスの端に小さく貼られている程度ですが、タイムズカーシェアのシールは非常に目立ちます。特にベーシッククラスの車両は約15cm四方の黄色いシールがリアに貼られているので、嫌でも目立ちます。
まとめ:各地で利用するならタイムズカーシェア、料金面ではオリックスカーシェア
- ステーション・車両数はタイムズカーシェアがダントツ
- 全国各地にステーションがあるのはタイムズカーシェアだけ
- タイムズカーシェアはNOC免除を含むオプション補償が付けられる
- オリックスカーシェアは何度でも月会費無料プランに変えられる
- 使わない月がはっきりしてるのであればオリックスカーシェアがお得
- 長時間利用はオリックスカーシェアがお得
オリックスカーシェアは、国内第2位のカーシェアリングサービスですが、やはりタイムズカーシェアの車両数・ステーション数には到底敵いません。全国47都道府県でサービス展開をしているのもタイムズカーシェアだけなので、近隣にタイムズカーシェアのステーションしかない方や、旅先でもカーシェアリングを利用したい方は、タイムズカーシェア一択です。
ただし料金面に関しては、無料プランへの変更が柔軟にできる点や、長時間利用の料金が比較的安いことから、近隣にオリックスカーシェアのステーションがあり、出先で利用する予定もない方は、オリックスカーシェアに加入すると良いでしょう。