圧倒的なシェアを誇る「タイムズカーシェア」と新たに登場した「e-シェアモビ」のサービスの比較をしました。
タイムズカーシェアは、車両数、ステーション数、会員数、全てにおいて国内第1位で他社を凌駕しています。
e-シェアモビは、2018年1月15日から開始されたサービスで、知名度も低く、まだ発展途上の段階ですが、サービス面に関しては他社と大きく差別化を図っており、タイムズカーシェアを含む大手三社にも負けないぐらいの魅力があります。
タイムズカーシェア×e-シェアモビ比較
タイムズカーシェア | e-シェアモビ | |
運営会社 | タイムズ24株式会社 | 日産自動車・日産カーレンタルソリューション |
利用可能都道府県 | 47(全国) | 14都府県(南東北・関東・東海・関西・熊本) |
ステーション数 | 10,459ヶ所 | 約300ヶ所(2019/1現在) |
車両数 | 20,985台 | 約300台(2019/1現在) |
会員数 | 965,924人 | 2,000人強(2018/3現在、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団調べ) |
国内シェア | 第1位 | 不明 |
支払い方法 | クレジットカード (Visa、Master、JCB、AMEX、Diners) |
クレジットカード(Visa、Master、JCB、AMEX、Diners) |
初期費用 | カード発行料:1,550円 (※キャンペーンで無料の場合がある) |
無料 |
月会費 | 個人・家族プラン:1,030円(無料利用料金1,030円込み) 学生・法人プラン:無料 |
1,000円(11月30日までは無料) |
利用料金 | 15分/206円~、6時間パック/4,020円 | 15分/200円~、6時間パック/3,500円 |
距離料金 | 6時間以内:0円(夜間パック除く) 6時間以上:16円/1km |
なし |
ガソリン・充電代 | 利用者負担なし | |
オプション保険 | 309円/1利用 | 324円/24時間(NOCサポートプラン) |
ペット | 同乗禁止 | |
タバコ | 全車両禁煙 | |
提携レンタカー | タイムズカーレンタル (プレミアム会員が付帯、最大25%OFF) |
日産レンタカー(最大30%OFF) |
タイムズカーシェアがe-シェアモビより優れている点
圧倒的なステーション数でどこでも使える安心感
やはりなんと言っても、タイムズカーシェアの魅力は圧倒的なシェアの大きさです。タイムズに太刀打ちできるサービスは今のところ皆無で、47都道府県すべてでサービスを展開しているのもタイムズだけです。
参考までに、シェア2位のオリックスカーシェアと3位のカレコも併記しましたが、その差が歴然であることが分かるでしょう。
カーシェアリングは、生活圏にステーションがあって自家用車と同じように利用できるのが大きなメリットであるため、駅前や商業施設に限らず、郊外や住宅地にもステーションが設けられていることは非常に重要です。タイムズカーシェアは、その点もクリアしているため、安心してどこでも利用することができます。例えば旅先でふらっと車を借りたいというときにもすぐに利用できます。
一方e-シェアモビは、全国にまだ80ヶ所にしか設置されておらず、そのほとんどが都心部や駅前などの人口密集地です。そのため、多くの人の生活圏をカバーできていないだけではなく、土日は予約で埋まってすぐに利用できないことも珍しくはありません。
タイムズのサービスがお得に使える
タイムズカーシェアに登録をすると、自動的にタイムズクラブのプレミアム会員の資格が付帯し、タイムズレンタカーや、タイムズ駐車場などの利用でさまざまな特典が得られます。
タイムズクラブポイントの付与率が3倍(100円につき3ポイント)にも増えるため、すぐにポイントが貯まり、カーシェアの利用チケットや、駐車場のサービス券と交換することができます。また法人会員であればタイムズ24の駐車場が、ICカードを差し込むだけでキャッシュレス精算可能となります。ここまで手厚いサービスを受けられるのはタイムズだけです。
タイムズカープライスは車種が豊富、e-シェアモビはたったの2車種
タイムズカーシェアの車種ラインナップは、プリウス・デミオ・フィットなどの一般大衆車(全23車種、ベーシック)、MINI・Audi・セレナなどの高級車やファミリーカー(全11種、プレミアム)など幅広いのが特徴。ステーションごとに車種が異なるため、行く先々で楽しむことができます。
対してe-シェアモビでは、日産の先進的な機能などを体験してもらおうというコンセプトで「ノート e-POWER」と「リーフ」の2車種のみが提供されています。大人数や大きな荷物を運ぶのには適していないため、他の日産車がラインナップに加わることに期待です。
e-シェアモビがタイムズカーシェアよりも優れている点
どんなに走っても距離料金は0円
タイムズカーシェアを含む他社のカーシェアリングと大きく異なる点は、どんなに利用しても距離料金が発生しない点です。もちろん、ガソリン代や充電料金も発生しません。
タイムズカーシェアでは、ガソリン代などが請求されない代わりに、6時間以上の利用で1kmの走行につき約16円の距離料金が発生します。距離料金制は、ガソリン代実費に比べても割高であるため、長距離を走れば走るほど料金も高くなり、遠出にはあまり向いていません。
e-シェアモビでは、利用料金を支払うだけでどんなに走行しても追加料金は発生しないため、1泊2日の旅行でもレンタカーの代わりとして利用できます。
利用料金が安い
e-シェアモビは、距離料金が発生しないだけではなく、利用料金も最安クラスに設定されています。
タイムズカーシェアと比べると断然安く、業界最安のオリックスカーシェアと比べても、距離料金のことを考慮するとほとんどの場合でe-シェアモビの方が安く利用できます。1km/15円の距離料金の場合、わずか67kmで距離料金が1,000円を超してしまうため、トータルで考えるとe-シェアモビが一番お得になるケースがほとんどでしょう。
e-シェアモビは、毎月の月会費が1,000円発生し、月会費相当の無料利用分が付与されない点は少し残念ですが、期間限定で11月30日までは月会費が無料となっています。
日産の新型車両が使える、車が清潔
e-シェアモビは日産の先進的な車を体験してもらおうという「プロモーション」も兼ねているため、車内装備が充実しており、タイムズカーシェアと比べても、グレードの高い車両になっている印象を受けます。
タイムズカーシェアの車両はステーションによって車種の当たり・ハズレがあり、装備にも差があります。また他社サービスを含めて、「車内が汚い」「ニオイが気になる」など、衛生面における懸念がありましたがe-シェアモビではそれをクリア。
タイムズカーシェアと比較し車両数が少なく、ステーションも都心部に集中していることから、車両の管理も効率よく行えているのでしょう。またe-シェアモビはどちらかというとニッチなサービスになるため、カーシェアリングを既に利用したことがあるマナーあるユーザーが利用しているためではないかと推測します。
ETCカードが標準装備
e-シェアモビでは、ETCカードリーダーだけではなく、ETCカード自体も標準装備されています。つまり、ETCカードを持っていなくてもETCを利用することができます。この仕組を取り入れているのはe-シェアモビだけです。
カーシェア | ETCカードリーダー | ETCカード |
e-シェアモビ | ◯ | ◯ |
タイムズカーシェア | ◯ | - |
オリックスカーシェア | ◯ | - |
カレコ | ◯ | - |
e-シェアモビは会員証が免許証、タイムズカーシェアはICカード
e-シェアモビの会員証は「免許証」、タイムズカーシェアは専用のICカードを用います。各社、スマートフォンのアプリやIC機能を使った仕組みで解錠可能ですが、免許証を使った解錠というのはよく考えられたものです。
しかしタイムズカーシェアの場合、タイムズクラブと連携したサービスがあるためこれも一長一短。逆にe-シェアモビは連携サービスが無いため、仮に他のサービスを始めようとする場合は、アプリや専用のICカードなどが必要になるはずです。
安全装備と充実したオプション補償
e-シェアモビは安全装備・運転サポート機能が非常に充実しています。タイムズカーシェアの場合、車両・車種の数が多いため、管理コスト面からe-シェアモビと同じようなサービスを提供することはほぼ不可能。
またタイムズカーシェアでは有料補償である各種ロードサービスなども、e-シェアモビでは無料の範囲内(利用料金内)で2万円まで負担してくれます。
比較項目 | e-シェアモビ | タイムズカーシェア |
安全装備・運転サポート機能 | ・自動ブレーキシステム(インテリジェント・エマージェンシーブレーキ) ・自動運転(インテリジェント・クルーズコントロール) ・ドライブレコーダー ・プロパイロットパーキング(リーフのみ) ・アラウンドビューモニター 他 |
※車種による
ドライブレコーダーは一部導入 |
無料補償 | ロードサービスや修理が必要になってしまった際も、最大2万円まで負担。 | 無し |
有料補償 | NOCサポートプラン(324円/24時間) | TCP安心補償サービス(309円/1利用) |
車両が一時的に使えなくなったときに発生するNOC(休業補償)が免除。 | NOCが免除されるほか各種ロードサービスも付帯。 |
タイムズカーシェアとeシェアモビの比較まとめ
サービスの規模で言えば、タイムズカーシェアはダントツで、日常利用にはタイムズカーシェアが向いています。郊外や住宅地など、さまざまな場所にステーションが設置されている他、車種も場所の需要に合わせて選定されているため、色々なシーンでのニーズを満たしています。
その点、e-シェアモビはまだまだ日常利用に向いているとは言えず、都心部などの人口密集地がメインとなっているため、レンタカーの延長程度のサービスでしかないのが正直なところです。
しかし、サービスが始まってから約半年間で急速にステーション数を増やしており、積極的にさまざまなキャンペーンを実施しているため、日産の本気度が感じられます。最大手のタイムズカーシェアと比較しても、サービス面においてはかなり優れており、使える場所が少ない・予約が取りづらいという点を除いては、ほとんどの点においてe-シェアモビが優位です。
しかし、ステーション数と予約の取りやすさは、カーシェアにおいて最も重要な項目であるため、近隣にe-シェアモビのステーションがなければ登録のメリットはほとんどありません。
e-シェアモビは3月31日まで月会費が無料で、それ以降は毎月1,000円が発生してしまいますが、何度もキャンペーンが延長していることから、当面は月会費無料が維持されるでしょう。