個人間カーシェアのAnycaには、多くの車に「距離制限」が設けられています。これは、オーナーが決める24時間内に走行してもよい距離のことを言います。
高級車のレンタカーでも距離制限が設けられていることがありますが、Anycaでは大衆車でも距離制限が設けられていることは珍しくありません。
普段聞きなれない言葉のため初心者の方は戸惑うことも多いでしょう。本記事ではどのような理由で距離制限が設けられているのか、超えた場合はどうなるのかなど、詳しく解説していきます。
Anycaで距離制限が設けられている理由
Anycaは個人間で車を共有し合う「個人間カーシェアリング」です。そのためオーナーが所有する車は「事業用」ではなく一般車です。ですから「傷さえつけなければよい」というレンタカーや事業用カーシェアリングと違って、車に対する「愛着」「思い入れ」の他、経済的・社会的な理由に伴うオーナーの意向が加わります。具体的には以下のような理由が考えられます。
- 寿命が縮む
- 売却時の査定が下がる
- 残価設定型で購入した車は走行距離が制限されている
①車の寿命が縮む
車は走れば走るほど寿命が縮みます。ブレーキ、アクセルの踏み方も人それぞれ。車を貸した人がみんな長距離を走ってしまえば、車は一気に劣化しますし、エンジンオイルの交換などのメンテナンスも頻繁に行わなければならないため、維持費も多くかかってしまいます。
他の人に車を貸しつつも、長距離の移動を嫌がるオーナーも少なくありません。
②売却時の査定金額が下がる
総走行距離が長ければ長いほど、車の価値はどんどん下がります。
新しい車を買おうと思ったときのことを考えると、総走行距離が増えないに越したことはないですし、いずれ買い替えを検討している方が、距離制限を課していることがあります。高級車の中には、24時間に100kmの走行しか許可していないものもあります。
やろうと思えば1日で1,000kmも走行できてしまうため、それほど走行距離にシビアではないオーナーでも念のため300~500kmの制限を設けているようです。
③残価設定型で購入した車は走行距離が制限されている
残価設定型で購入した車は、1ヶ月に走行しても良い距離がディーラーによって設けられている場合があります。
査定金額にも関連していますが、走れば走るほど価値がなくなるため、一定の期間が過ぎたら車を売却しなければならない残価設定型では、総走行距離が重要になってきます。
そのような車は1ヶ月1,000~1,500kmの制限が設けられているため、そもそもAnycaの貸出には不向きな車ではあるのですが、そのような車は24時間200~300km程度の制限が課せられている印象です。
距離制限を超えてしまった、走り過ぎたらどうなるの?
オーナーにもよりますが、基本的に超過した分の距離料金を1km単位で請求されることが多いようです。ざっと見た感じだと、1kmあたり20~30円が相場のようです。
距離制限が設けられていても、具体的にどんなペナルティを課すのか詳しく書かれていない場合もあります。万が一距離制限超えてしまいそうなときは、オーナーに連絡をするのが一番です。
また、「追加料金を払えばいいんでしょ」と距離制限を気にせず走るのも、オーナーにとっては迷惑ですし、レビューで低評価をつけられることも十分にあり得ます。
予約時にどれくらいの距離制限があるか、しっかり確認しておきましょう。
走った距離はどうやって確認できるの?
走行距離は運転席にあるメーターで確認ができます。操作方法は車によりますが、貸出開始時に走行距離のカウントをリセットして計測することができます。
ODOと書かれているのは車の総走行距離を指しており、こちらは当然リセットができません。もしも走行距離のカウントをリセットができない、分からない場合は、走りはじめのODOを記録して計算するのが良いでしょう。
Anycaを使ってドライブ〜距離の目安を知りたい
ルートによって移動距離が大きく異なるため、参考までに直線距離で計測した結果をまとめます。Googleマップなどで実際の移動距離を知ることが可能です。
片道約50km
- 東京駅からつくば駅
- 名古屋駅から米原駅
- 大阪駅から草津駅
片道約100km
- 東京駅から富士山
- 東京駅から宇都宮駅
- 名古屋駅から京都駅
- 大阪駅から四日市市駅
- 沖縄本島最北端から最南端
片道約200km
- 東京駅から郡山駅
- 名古屋駅から姫路駅
- 大阪駅から浜松駅
- 佐世保駅から鹿児島中央駅
片道約300km
- 東京駅から仙台駅
- 東京駅から金沢駅
- 名古屋駅から倉敷駅
片道約500km
- 東京駅から鳥取駅
- 名古屋駅から新山口駅
- 大阪駅から博多駅
あくまでも直線距離で測った結果なので、実際の移動距離はもっとかかります。東京駅から金沢駅は直線距離では300kmほどですが、上信越自動車道、北陸自動車道を使った場合は490km、中央自動車道を使った場合は420kmになります。
また長距離ドライブを目的にAnycaを利用する場合、あらかじめオーナーに利用目的を伝えておくと後々のトラブルも未然に防ぐことができます。
例えば私たちの場合、沖縄で北部・南部のドライブを目的にAnycaを利用し、3日間で総距離600kmほどを走りました。距離制限はギリギリ超えませんでしたが、予約前のメッセージや受け渡しの時点で「沖縄ドライブ旅行を楽しむ予定です。たくさん走る予定です。」ということを伝えていたので、それだけで印象はだいぶ変わったと思います。
「距離制限」と言っても、オーナーは「貸したい」「走ってもらいたい」という思いもあってAnycaに登録しています。少々言葉のイメージが強いので身構えてしまいますが、双方が気持ちよく利用できるように積極的にコミュニケーションを取っていくことがAnycaでは重要になります。
Anycaの「距離制限」まとめ
- 走行距離制限は、車、オーナーによって異なる
- 距離制限を設ける大きな理由は車の価値、寿命が落ちてしまうため
- 距離制限を超えた場合は距離単位で超過料金を請求される場合がある
- 制限オーバーはレビューにも影響するためできる限り守る
- 走行距離はメーターで運転席の確認可能
Anycaでは多くの車で24時間単位の距離制限が設けられており、予約時にどれぐらいの距離制限が設けられているか確認することができます。
距離制限がかけられる大きな理由として、車の価値や寿命が落ちてしまうことが挙げられます。万が一超えてしまった場合は1km単位で超過料金を請求される場合がありますが、高額な超過料金を課すオーナーもいるので、距離制限のある車を利用する際は走行距離に気をつけて走行してください。
特に、高級車などの一部の車には、100kmと厳しい制限を課している車もあるため、遠出をしようと考えている方は、特に気をつけてください。
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Anyca(エニカ) |
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