Anycaはタイムズカーシェアなどのカーシェアとは異なり、個人間で車を貸し借りするサービスであるため、どうしてもやりとりや車の扱いに関してトラブルが生じることがあります。Anycaでのトラブルは、ほとんどがドライバー起因によるものですが、オーナーや運営会社(DeNA)に問題があって発生することもあります。
オーナーの遅刻、ドタキャン、クルマ情報の誇大表示、運営対応など。本記事では、車を借りる側であるドライバー視点から、こうしたAnycaで発生するトラブルについてまとめていきます。
Anycaの「オーナー」とのトラブル事例
立会の時間に車(オーナー)が来ない・間に合わない
待ち合わせの時間になってもオーナーが来ない、連絡が取れないということは時々あります。ドライバーが来ない、渋滞で返却時間に遅れるということはよくある話ですが、オーナー側も遅れることはもちろんあります。
車の受け渡しができず、次の予定に大きく影響してしまい、せっかくの予定や旅行が台無しになってしまうこともあり得ます。
もちろん、遅れてしまうことはごくまれで、ほとんどの方は時間どおりに待ち合わせて受け渡し・返却を行っています。心配な方は予定を組む際に普段より余裕をとったり、レンタカーやタイムズカーシェアなど事業者系カーシェアを利用するほうが良いでしょう。
オーナー都合によるキャンセル
車の故障やトラブルにより車が貸し出せなくなった場合、オーナーの都合により予約がキャンセルされてしまう場合があります。つまり、ドタキャンです。レンタカーでは、車両にトラブルがあっても代替車を用意してもらえますが、個人間の取引では代車を用意してもらうことなどありません。
キャンセルは前日や直前に起こることも十分にありえるため、念のためAnycaで借りる予定の車がダメになったときのプランBも少し考えておいた方が良いでしょう。
オーナー都合でキャンセルになっても、ドライバーに何も補償はないため、新たに別の車を探す必要があります。
車が思っていたのと違う(登録されている写真と違う)
Anycaでは車の車種などを正確に登録されており、写真も何枚か用意されていますが、実物を見てみると、思っていたものと少し違う…と感じることがあるかもしれません。
実際に私も、「4人乗り」と書かれていたオープンカーが、実質前の2人しか乗れないほどの窮屈さで少しガッカリしたことがあります。決してオーナーも虚偽の内容を書いているわけではありませんが、車を借りる前にそれがどのような車なのかをGoogleなどで調べたほうが良いかもしれません。より多くの方の目に触れさせるため、背伸びした記載をしているオーナーも稀にいます。
また、「カーナビ搭載」と記載されていても、それがあまりにも古いナビで、新しい道路に対応していない場合もあります。念のためスマートフォンにナビアプリを入れ、車を傷つける心配がないスマートフォンホルダーも用意しておくと良いでしょう。
もし、ページに記載されていた装備品と異なる車だった場合は、オーナーにそれを指摘するか、運営に報告してください。
Anycaの「システム」の問題・トラブル
補償が心細く万が一のときは多額の請求も
Anycaでは、車の利用時に東京海上日動の一日自動車保険に強制加入させられます。自家用車を持っていて自身の保険の「他車運転特約」を使う予定だった方も、必ず加入しなければなりません。
この一日自動車保険は、人身事故などの際の必要最低限な補償はカバーしているのですが、車両補償は非常に心細いものとなっており、免責額(自己負担額)10万円に設定されています。万が一どこかにぶつけて自損事故を起こしてしまった場合の修理費が100万円の場合、10万円は自己負担額、90万円が保険金で支払われます。
基本的にはオーナーとの示談交渉
万が一、オーナー間とトラブルが発生しても、基本的にはユーザー同士での問題解決が原則という考えで、あまり積極的に問題に介入してくれません。
事故時も基本的にはオーナーや保険会社とのやりとりをする必要があり、オーナーとの交渉で問題が生じたときに初めてAnycaがサポートしてくれるようです。
レンタカーなどの場合は、対応の方法が完全に決まっている上、ユーザーの負担もそれほど大きくないため、トラブル時に面倒なことが多いのがAnycaの弱点であると言えます。
運営の対応が遅い
Anycaの口コミ・評判の中で最も多いのが、運営のサポート体制に対する指摘です。上でも触れたとおり、ユーザー間の問題に介入しないだけではなく、その他の問題に関してもあまり対応は良いと言えないようです。
問い合わせのメールを送ってもなかなか返信が来なかったり、電話が繋がりにくいなどの意見が見受けられます。
Anycaは補償面やトラブル対応に難あり…
Anycaにはレンタカーや一般的なカーシェアにもないような車が数多くあり、そこがサービスの魅力の一つでもありますが、同時に個人間でのやりとりとなるので、タイムズカーシェアなどと比べて面倒に感じることが多々あります。
車を借りるリクエストを送信するときも、メッセージでやりとりしなければいけませんし、万が一のトラブルが発生した際はかなり面倒です。
オーナーはレビューの高さが命なので、基本的にオーナー起因によるトラブルというのはそれほど見受けられず、ドライバー側はそれほど心配する必要はありません。
しかし、車両補償の免責額10万、最高額300万という一日自動車保険の補償の手薄さは、免責額0円の補償にも入れるレンタカーと比較すると、やはり物足りないなと感じてしまいます。また、運営側のサポート体制にも問題があることは、ツイッターなどさまざまな場所で見受けられるため、その点はあまり期待しないほうが良いでしょう。
万が一のときのことや、サポート体制が不安な方には、Anycaはあまりオススメできません。少し高くてもレンタカーやカーシェアリングの方が安心して利用できます。